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2008.03.31 (Mon)

【一人旅】     北海道身勝手一人旅   目次       

 

 今回は、これから投稿していく40日間にわたる
北海道身勝手一人旅の目次をご覧いただき
話のイメージをつかんで頂ければと思います。





   -- 目 次 --


プロローグ
    野中温泉怪奇事件


第一章 旅立ち
 一の一 3ヶ月の休みがもらえたら
 一の二 “身勝手一人旅”の秘訣


第二章 温泉その一(混浴)
 二の一 夏油温泉
 二の二 酸ケ湯 
 二の三 二股ラジュウム温泉
 二の四 ニセコ五色温泉
 二の五 丸駒温泉
 二の六 幌加温泉・管野温泉
 二の七 雌阿寒滝の湯


第三章 一人旅の悲哀
 三の一 フェリーにて
 三の二 夜の海
 三の三 朝のひと時
 三の四 車中泊
 三の五 布団干し
 三の六 恐怖の林道


第四章 食事の悩み
 四の一 北海道は広い!
 四の二 ストライキ
 四の三 同郷の人
 四の四 層雲峡ラーメン


第五章 温泉その二(露天風呂)
 五の一 石田温泉・水無海浜温泉
 五の二 電電朝日温泉
 五の三 登別温泉
 五の四 十勝岳温泉
 五の五 奥摩周湖温泉・屈斜路湖池の湯
 五の六 カムイワッカ温泉・セセキ温泉


第六章 北海道の自然
 六の一 神の芸術品“神威岩”
 六の二 旅情をそそる“雨の稚内””
 六の三 去り難し“大・自然の宗谷岬”
 六の四 おばさんと世間話の“女満別湖”
 六の五 女性ライダーを追う“野付岬”
 六の六 夕陽にならない“釧路湿原”


第七章 家族旅行
 七の一 千歳の床屋
 七の二 家族との再会


エピローグ1
 野中温泉怪奇事件顛末


エピローグ2
 青春万歳!北海道万歳!家族万歳!


補足:参考データ
 北海道“身勝手一人旅”の足取り







                  (”北海道身勝手一人旅”目次へ



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EDIT  |  20:17  |  目次  |  TB(1)  |  CM(0)  |  Top↑

2008.03.29 (Sat)

【一人旅】 データ

 以下は、40日間におよぶ北海道“身勝手一人旅”の足取りです。




■七月二十日(晴れ)自宅     関連記事:【一の一

■七月二十四日(曇り) 【一の二二の一
  自宅―東北自動車道―北上江釣子IC-R107―川尻温泉―水神温泉―夏湯温泉

■七月二十五日(雨)        関連記事:【二の二
  金ヶ崎温泉-志和稲荷温泉-矢巾温泉-東北自動車道-盛岡IC-R46-鶴の湯
  -R46-盛岡IC-東北自動車道-黒石IC-R102-酢ヶ湯温泉

■七月二十六日(雨)        関連記事:【二の二
  酢ヶ湯温泉

■七月二十七日(雨のち曇り)   関連記事:【三の一
  青森-フェリー-函館-谷地頭温泉-蓬莱温泉-R278-石田温泉-
  恵山荘キャンプ場

■七月二十八日(晴れのち曇り)  関連記事:【五の一
  水無海浜温泉-恵山温泉-R272-川汲温泉-大船上の湯-鹿部温泉-R5-
  東大沼温泉-R228-知内温泉-松前温泉

■七月二十九日(晴れのち曇り)  関連記事:【四の一
  湯ノ岱温泉-R227-我虫温泉-銀婚温泉-R5-濁川温泉-八雲温泉-R277-
  町営八雲温泉-見市温泉-R229-平田内温泉

■七月三十日(曇りのち雨)    関連記事:【二の三
  貝取潤温泉-臼別温泉-ねとい温泉-北桧山温泉-栄浜温泉-千走川温泉-
  宮内温泉-R5-二股ラジュウム温泉-長万部温泉

■七月三十一日(雨)       関連記事:【三の二
  R230-ピリカ温泉-R5-昆布川温泉-薬師温泉-五色温泉-新見温泉
  -R229-盃温泉

■八月一日(曇り時々晴れ)    関連記事:【五の二
  R229-岩内温泉-電電温泉-朝日温泉-R229-R5-ワイズ温泉-倶知安温泉
  -五色温泉

■八月二日(曇りのち雨)      関連記事:【二の四
  五色温泉

■八月三日(曇りのち雨)      関連記事:【二の五
  R276-登川温泉-伊藤温泉-丸駒温泉-R230-朝里川温泉

■八月四日(晴れ)          関連記事:【六の一
  R5-神威岬-鶴亀温泉-小樽-R337-銭函

■八月五日(曇り)          関連記事:【三の三
  R337-R275-中小屋温泉-R275-R337-長沼温泉-馬迫温泉-R36-
  虎杖浜温泉

■八月六日(曇り)          関連記事:【五の三
  R36-登別温泉-カルルス温泉-洞爺湖温泉-蟠渓温泉-北湯沢温泉-虎杖浜温泉

■八月七日(雨のち晴れ)      関連記事:【三の四
  R36-R235-R237-ぴらとり温泉

■八月八日(小雨)          関連記事:【五の四
  R237-湯の沢温泉-十勝岳温泉-吹上温泉-白金温泉-R38-芦別温泉

■八月九日(晴れ)       
  R38-R237-天人峡温泉-朝日岳温泉-R237-R12-沖里阿温泉-
  えべおつ温泉-上砂川岳温泉

■八月十日(曇り)          関連記事:【四の二
  奈井江温泉-R12-湯の元温泉-桂沢温泉-湯の沢温泉-R12-R275-幌新温泉
  -R233-神居岩温泉-R233-上平海水浴場

■八月十一日(曇り)         関連記事:【四の三
  R232-R239-R40-日向温泉-R40-塩狩温泉-R39-協和温泉-R39-
  岩尾内温泉-五味温泉-R239-名寄温泉-ピヤシリキャンプ場

■八月十二日(曇りのち雨)     関連記事:【六の二
  R40-天塩川温泉-ぽんぴら温泉-豊富温泉-R238-稚内市民温泉-
  稚内公園キャンプ場

■八月十三日(曇り)         関連記事:【六の三
  R238-歌登温泉-R273-R333-白滝温泉

■八月十四日(晴れ)         関連記事:【三の五
  R333-丸瀬布温泉-瀬戸瀬温泉-R242-生田原温泉-R39-北見温泉-R39-
  温根湯温泉-塩別温泉-滝の湯温泉-層雲峡温泉

■八月十五日(曇り)         関連記事:【四の四
  R39-愛山渓温泉-R39-R273-大雪高原温泉-幌加温泉-糖平温泉-山田温泉

■八月十六日(薄曇り)        関連記事:【二の六
  管野温泉-オソウシ温泉-トムラウシ温泉-R38-新得温泉-芽室温泉

■八月十七日(小雨)         関連記事:【三の六
  R38-幕別温泉-筒井温泉-十勝川温泉-豊頃温泉-留新温泉-R242-本別温泉

■八月十八日(晴れ)       関連記事:【二の七
  R242-R241-滝の湯温泉-R240-阿寒湖温泉-R241-野中温泉

■八月十九日(晴れ)       関連記事:【五の五
  R241-R240-R241-奥摩周湖温泉-鐺別温泉-弟子屈温泉-R243-和琴温泉
  -コタン温泉-池の湯温泉-赤湯温泉-砂湯温泉-仁伏温泉-R391-川湯温泉-
  藻琴山高原温泉-藻琴山温泉-R39-女満別温泉

■八月二十日(晴れ)       関連記事:【六の四
  女満別温泉

■八月二十一日(雨)      
  R39-網走温泉-R244-斜里温泉-斜里グリーン温泉-清里温泉-海別温泉-
  ウトロ温泉

■八月二十二日(曇りのち雨)   関連記事:【五の六
  R334-カムイワッカ温泉-岩尾別温泉-相泊温泉-セセキ温泉-羅臼温泉

■八月二十三日(雨のち晴れ)   関連記事:【六の五
  R335-標津温泉-R244-川北温泉-R335-尾岱沼温泉-R244-R44-
  納沙布岬-R44-R391-茅沼温泉

■八月二十四日(晴れ)      関連記事:【六の六
  R391-標茶温泉-五十石温泉-茅沼温泉

■八月二十五日(曇り)      関連記事:【六の六
  R391-R44-R38-R336-襟裳岬-R336-R235-三石温泉-静内温泉
  -R237-ぴらとり温泉

■八月二十六日(晴れ)      関連記事:【七の一
  R237-R235-R234-鶴の湯温-R234-R36-R230-定山渓温泉-
  モラップキャンプ場

■八月二十七日(晴れ)      関連記事:【七の二
  支笏湖温泉-R230-定山渓温泉-千歳空港-R36-札幌-高速滝川IC-
  新十津川温泉

■八月二十八日(晴れ)    関連記事:【プロローグ
  R38-R237-富良野-R237-R39-層雲峡-R39-R242-R241-野中温泉

■八月二十九日(晴れ)    関連記事:【エピローグ1
  R241-阿寒湖-R241-R243-屈斜路湖-摩周湖-R391-R243-R272-
  R335-知床-R334-カムイワッカ-R334-R39-網走温泉

■八月三十日(晴れ)       関連記事:【エピローグ2
  R39-R238-宗谷岬-R238-歌登温泉

■八月三十一日(曇り)フェリー
  R40-朝日川南IC-千歳IC-千歳空港-R36-室蘭フェリー乗場-船内

■九月一日(晴れ)自宅 
  青森フェリー乗降場-青森IC-東北自動車道-首都高-自宅



                                       以上


                   (”北海道身勝手一人旅”目次へ









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2008.03.29 (Sat)

【一人旅】 エピローグ2 青春万歳!北海道万歳!家族万歳!

エピローグ2 青春万歳!北海道万歳!家族万歳!          八月三十日
 


  『家族みな 心一つで 旅が出来
                笑顔を残し 飛行機の中』

  『千歳にて 別れた家族 家に着く
                私はいまだ フェリーの中』




野中温泉怪奇事件の余韻は消えたでしょうか?

「結末が、いまひとつだ!」

と、不満顔なお父さん達の様子が、目に浮かびます。

そんな、お父さん達のお付き合いはそこそこにして、
我々家族の本日の予定は、網走温泉へのロングランドライブです。

 「お前たちは、野中温泉といい、網走温泉といい、マイナーなところに行くのだな」

と、お父さん達に言われそうですね。
それも、長男が、翌日、どうしても宗谷岬に行きたいというので、
明日走る距離を逆算して、今日の宿泊場所をこの網走温泉と決めたのです。

しかし、途中いくつかの観光スポットに立ち寄りながら、
野中温泉から網走温泉までの道のりは、正直、かなりハードです。

いかにハードであるかは、逆ルートで、ここまで走ってきている私にしか分かりません。
当初、横浜で立てた計画が、どれくらい無謀な計画立案だったかは、
この時点では、家族には分からないことだったのです。

 「机上プランより、現場が大切」

とは、ビジネスの常識ですが、この私の机上のプランが、
結果的に、家族に迷惑をかけることになりました。


野中温泉を出発して、最初の観光地である阿寒湖でまずは、途中下車です。
早速、家族一行は、観光客一団と化し、アイヌ村の珍しい土産物屋のはしごです。

ここでも、元気なおばあちゃんは、

 「やはり違うね!牛乳の美味い所は」

と言って、ソフトクリームを口にくわえながら、嫁さんとショッピングです。
子供達も、日頃の耐乏生活を解消しようと、
親の目を盗んで、おばあちゃんに土産物代の無心です。

こうして、最初の観光地で既に、
“机上プラン”の予定より1時間以上もオーバすることになりました。

ようやく、次の摩周湖に向かうために、家族が戻ったときは、
どうして横浜に持って帰るのか、心配になるくらいの土産物で車は一杯となりました。
まだ、これから、いくつもの観光地に立ち寄るのに、と思う私の心配は、どこ吹く風です。


サー、やってきました、“霧の摩周湖”に!

嫁さんとおばあちゃんの“娘二人”が、
今回の旅行の中でも、最も楽しみにしていた所のひとつです。

女性二人は、完全に修学旅行の女学生です。
腕を組みながら、早く来いと、後からくる我々男性三人をせかせます。

しかし、幸か不幸か、“霧の摩周湖”であるはずの湖が、
通年を通しても、めったに無いと言われるくらいの快晴で、霧の”き”の字もありません。

女学生趣味を満足させるには、
“霧の摩周湖”にいつかもう一度来る必要があるのでしょうが、
目に飛び込んできた摩周湖の神秘性は、
快晴でないと決して体感することができないものでした。

この神秘性は、阿寒湖とは異なり、全く人の手が加えられていない、
いや、加えることを拒絶する摩周湖が、
自然破壊をやめろと、愚かな人間へ送る強烈なメッセージです。

家族全員、ただただ感激の一言でした。

子供達も、唯一の人工物である、展望台からの景色に、

 「スゲー!」

の言葉以外はなく、ただ沈黙のひと時でした。
子供なりに、自然の偉大さを感じ取っていたのでしょうか。


摩周湖を後にし、次の目的地は、知床です。

昼食時間をとっくに過ぎたにもかかわらず、車の中の家族は、
広大な牧場で、牧草を食べている牛や馬を見ながら、会話を楽しんでいます。

私も、お腹が空いているのですが、誰も文句を言いません。
と言うのも、摩周湖を出たとき、

「昼食は、海辺の町で、美味しい海の幸でも食べよう!」

と、魚好きの長男のために約束したためです。

助手席に座った長男は、標津町の海岸を目指し、
この時はまだ、明るい顔でナビゲートしてくれていました。

ところが、いざ、標津町の海岸に着いてみると、無いのです。
何がって?“海の幸”が無いのですヨ。

「おまえ、そこは、海辺の町だろう」

そうですよネ、私の計画は間違っていないはずですよネ。
誰だって、海辺の町には、魚を食べさせてくれるお店があると思うのが普通です。
所が、無いのです!いくら探しても。

これ以上、お腹をすかして走れば、車の中は、反乱が起きかねない雰囲気です。

ついに嫁さんの一言で、ありきたりのお店で、昼食を取ることになりました。
しかし、これが、結果的に、長男の気分を損ねてしまったのです。
これまで、楽しい雰囲気だけでやってきた家族旅行に、初めて暗雲が立ち込みだしました。

過去の家族旅行でしたら、ここで、父権の強制発動という場面です。
しかし、せっかく、ここまで楽しくやって来た旅行、
今回は、長男の機嫌が直るまで、放っておくことにしました。

車の中で、嫁さんやおばあちゃんがなだめても、なかなか長男の機嫌は直りません。
国後島が見えるところで、気分転換のため休憩をしたのですが、
長男だけは車から降りようとはしません。

嫁さんと次男と私の三人で、波打ち際でしばらく遊んで車に戻ってくると、
長男が、泣きべそをかいているのです。
日頃、家では、偉そうにしている、高一の長男の泣き顔です。

両親より、はるかに影響力の強い、おばあちゃんに諭されたようなのです。
長男にとっては、涙でかすんで見えた、“北方領土国後島”になったに違いありません。


知床観光のベース基地である羅臼に着く頃には、
車の中は、目に飛び込んでくる羅臼山の緑のように、
さわやかな雰囲気に戻っていました。

以前に、私が一人で、ウトロから羅臼に向かう時に通った、
知床横断道路の周囲は、濃霧で、数メートル先さえ見えませんでした。

しかし今、家族の目には、
日本でも数少ないと言われる、原生林の深い緑が一杯に映っているのです。

目を少し上に上げると、空気が澄んでいるのか、
羅臼山の稜線が、快晴のライトブルーの空にくっきりと浮かび上がって見えます。
知床の大自然が、我々一行に最大限のもてなしをしてくれているようです。
これも、私以外の家族の、日頃の行いの良さなのでしょう。


途中、私が、これまでの温泉巡りの中で最高の評価をつけた、
カムイワッカ温泉に立ち寄ることにしました。

しかし、阿寒湖での1時間の予定オーバが響き、
目的の温泉滝壺まで行く時間がありません。

それでも、足元を、全て温泉が流れている沢歩きに、
ズボンをまくり、ここでも、子供のようにはしゃいでいる、
おばあちゃんの姿を目にしただけでも、来た甲斐がありました。


ウトロの海岸線を走っている時に目にした、夕陽の素晴らしさも、家族の心を捉えました。

真っ赤な太陽の光を浴びて輝く、オホーツクのおだやかな海。
黄金色に染まった華やかな雲。
しばし車を止め、家族全員で、その雄大で荘厳な景色を目に焼き付けました。

 「すっげぇーーーー!あっと言う間じゃん」

と、生まれて始めて見る、水平線に沈む夕陽を、
車から身を乗り出して食い入るように眺めていた、次男の姿が印象的でした。


日もとっぷり暮れて、ようやく今日の宿、網走温泉にたどり着きました。
ここで、父権の復活とばかりに、
昼間、食べることが出来なかった、海の幸の大判振る舞いです。

大好物のカニと格闘する嫁さん、目を輝して箸を動かす長男。
改めて、北海道に皆で来た喜びをかみしめました。


四日目は、長男の希望する宗谷岬に行く予定です。
連日のハードスケジュール、幾ら広いワゴン車といっても、
おばあちゃんの身にはこたえているはずです。

そこで、宗谷岬へは、長男と二人だけで行くことにし、
残り三人は、今日泊まるところの、歌登温泉で、のんびりしてもらうことにしました。


次第に子供から青年に成長していく長男と、片道三時間の二人きりのドライブです。
日頃は、簡単な会話しか交わすことの無い二人です。

しばらくは、お互い照れくさくて、会話が続きません。
ところが、車という閉ざされた空間と目の前に広がる北海道の大自然が、
非日常の雰囲気を作り出してくれのでしょう、
そのうち、学校では、学べない事業の話や会社の組織や人間関係などに話題がいき、
長男の質問にも熱が入るのでした。


宗谷岬は、日本最北端という以外、これといった観光スポットは有りません。
それでも、カメラを通して見る長男の笑顔に、
子供のあどけなさを見出し、心が温まった私でした。

長男は、少ない手持ちのこづかいから、宿に残った三人への土産物探しです。
父親らしいことは、ほとんど何もせず、子供のことは、嫁さんに任せ切りの私です。

今回の家族旅行で、感じた子供たちの成長振りに、この場にいない嫁さんに対し、

「有難う、これからもよろしく」

と、感謝の気持とともに自然と言葉になって出ました。

また、私には、いつも我々家族を暖かく包んで見守ってくれている、おばあちゃんがいます。
改めて、自分自身の恵まれた環境に幸せを感じるのでした。


初めての北海道への家族旅行、
みんながそれぞれ心から楽しめた旅だったのではないでしょうか。

あれだけ私を悩まし続けた雨も、家族旅行中は一滴も降らず、
ずーっと快晴に恵まれたのも幸せでした。


小六の次男は、レンタカーのワゴン車が大変気に入っていました。
旅行中、周囲の景色もそっちのけで、
シートを倒したり回転させたりして楽しんでいました。
札幌で食べた本場のラーメンが、余程美味しかったのか、
大きくなったら、絶対にまた食べにくると頑張っていました。


高一の長男も、今度の旅行では、大好きな海の幸をお腹一杯食べることが出来ました。
また、大好きなおばあちゃんと一緒に旅行も出来、満足な様子です。
富良野の芝生に一人寝そべり、大空を眺めている姿には、
大人になりかけている姿を感じ取りました。
野中温泉の珍事で、布団の上で笑い転げる笑顔には、
まだまだ子供のような姿を見つけ、心も和みました。


嫁さんは、一ヶ月もの間、家に置いてきぼりにされ、
暑い中、二人の子供と格闘して疲れた身体を癒すことが出来ました。
網走では、大好物のカニを目の前にして、この時ばかりは家族を忘れ、
無心になって、口を動かしていました。
母親と一緒に、“娘二人”で腕を組みながら、楽しいおしゃべりにも熱中できました。


おばあちゃんも、大好きな孫たちと一緒に旅行できたこと、
怪奇事件で涙を流して大笑いできたこと、
旅行中、いくつものソフトクリームを口にしながら、
ソフトクリーム以上に白い歯を見せていたこと、
良い思い出が残ったのではないかと思います。


そして、最後の私は、家族全員がこうして、楽しく旅行が出来たことが、最高の喜びでした。
家族の暖かさに飢えていた、一ヶ月の一人旅、
そのせいで、日頃の身勝手さも陰を潜め、
家族のありがたみを、他の誰よりも感じた私でした。
俗にいう、家族サービスや罪滅ぼしのための旅行といった意識はどこにもなく、
家族と一緒に過ごす中で、自分自身が皆に溶け込み、
共に楽しむことが、これほど心が温まるものなのかを再発見しました。


これがリフレッシュ休暇で得た最大の成果です。



千歳空港での出発ゲートでは、長男も次男も、何度も何度も手を振ってくれました。
おばあちゃんは深々とお辞儀をし、
嫁さんは笑顔でVサインをしながら、人ごみに消えていきました。


再び家族と別れ、レンタカーを返し、自分の車で室蘭からフェリーに乗り込みました。
船内で、一人缶ビールを飲みながら、数多くの思い出を思い出しながら、北海道を後にしました。



 『家族みな 心一つで 旅が出来
               笑顔を残 し飛行機の中』

  『千歳にて 別れた家族 家に着く
               私はいまだ フェリーの中』



 青春万歳!北海道万歳!家族万歳!




長い間、たわいも無い話にお付き合い頂いたお父さん達に、心からお礼を申し上げます。

  
  「有難うございました!!」





                  北海道身勝手一人旅     完







                   (”北海道身勝手一人旅”目次へ

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2008.03.19 (Wed)

【一人旅】 エピローグ1 野中温泉怪奇事件顛末

 エピローグ1  野中温泉怪奇事件顛末            八月二十九日



  『朝になり 怪奇事件の 全容を
                 身振り手振りで 語り合う』

  『三人の 怪奇事件の 演目を
                 笑い転げて 聞く二人』



長かった北海道一人旅も今日で37日目です。
もうあと二日で北海道ともお別れです。

「おい、ちょっと待った!例の野中温泉怪奇事件はどうなったのだ」

(お願い:このエピローグ1をご覧になる前に、再度プロローグの
      「野中温泉怪奇事件」を読んで頂ければと思います。)



そうでした、このまま、北海道をおさらばするのはまずいですよね。
せっかくここまで、私の温泉巡りに付き合ってくださったお父さん達に申し訳ないですし、
嫁さんの安否を確かめもせず、北海道を去ることは出来ないですよね。

では、これから、あの世にも恐ろしい、
野中温泉怪奇事件の全容を話して行きますので、
心の準備は良いですか。



「ギャーーーッ!」
「グエーッ!」

脅かすなよ、と怒られそうですが、
怪奇事件は、真夜中の二時に、嫁さんの

「ギャーーーッ!」
「グエーッ!」

の叫び声で、始まったのです。

事件の顛末を話すに当って、再度、状況を再現したまでです。

 
 
時は真夜中、草木も眠る丑三つ時。
(昔から不可思議なことが起きる時間はだいたい真夜中と相場が決まっています。)

正真正銘、私の足はがたがた震えました。

トイレにも部屋にも、嫁さんがいないとすると、いったい嫁さんは!
きっと嫁さんの身に何か異変が起きたのではと、不安で一杯になりました。
とにかく、嫁さんを探さねばなりません。

再び部屋の外に出ました。
部屋の外は、薄明かりの灯った廊下が続いています。

自分がトイレにいった時は、なんとも感じなかった廊下ですが、
あの叫び声の後、何か出そうで、なかなか足が前に進みません。

ひんやりした空気が、さーっと私の顔を撫ぜていきます。
その上、スリッパを引きずって歩く私の足音までもが、薄気味悪く聞こえ、
私の恐怖心をあおるのです。


探すといってもこの真夜中、建物の外に出たとも思えませんし、
まして他人の部屋を覗いてまわるわけにも行きません。

廊下に、何か変化が無いか、と思いながら浴室の前までやってきました。

私も、食事前に温泉に入りましたが、
そのときですら、外は漆黒の闇、
あかりといえば、裸電球一つの浴室です。

しかも、今は、真夜中の二時。

男の私でも、こんな時間に、温泉に入る勇気はありません。
しかし可能性のある所は探さねばなりません。

たどりついた浴室には、薄暗いあかりが灯っています。

本来なら、
何だ、嫁さんは温泉に浸かっていたのか、
とほっとすべきなのでしょう。

しかし、先ほどの叫び声です。
髪の毛を濡らし、血を浴びた、オンネト-湖の女性が現れでもしたら、
確実に腰を抜かすのは間違いない状況です。

それでも、勇気を出して、女性の脱衣所の外から嫁さんの名前を呼んだその時です!

 「ギャーーーッ!!」

と、三度目の叫び声です。

お父さん達は、作り事と思っていませんか?
これは、間違いなく本当のことなのです。

あと、ほんの少しでも、嫁さんの返事が遅れていたら、
間違いなく、私は、その場で腰を抜かしていたに違いありません。


浴室から、この状況下に全くアンマッチな間延びした声で、

「何ですか?」

何ですか、じゃないだろう。
こんな真夜中に温泉に浸かっているなんて。

嫁さんも嫁さんだと、腹立たしく思いながらも、正直、無事でほっとしました。

それにしても、先ほどらいの、あの叫び声は、一体何だったんだろう。
全神経は、まだ、叫び声がした、トイレの方に向いています。

しばらくして、浴室から出てきた嫁さんに、

 「おい、先程から、叫び声が何回か聞こえただろう」

と、聞いてみたところ、

「何にも聞こえなかったわよ」

と、のんきな返事です。

私が、足を震えてまで心配していたにもかかわらず、
嫁さんは、こりもせず、

 「ねえお父さん、私たちの部屋に、知らない人が寝ているの知っているのでしょう」

と、逆に聞いてくるのです。

あの不気味な叫び声で、完全に目の覚めた私は、
ようやく、嫁さんが、何を言っているのか、理解できたのです。

嫁さんにしてみれば、自分には聞こえなかったあの叫び声よりも、
私が、布団をめくって確認しておきながら何もせず、
寝かせている不審な人物のほうが気になっているのです。

私は、叫び声の主を調べるのは後回しにして直ぐ部屋に戻り、
嫁さんが指さす布団を再びめくりました。

前にめくった時は長男だという先入観があり、
何も不思議に思わなかった布団にはメガネをかけた見知らぬ若者が、
幸せそうに寝ているではありませんか!

怒鳴りつけて起こそうと思ったのですが、
子供や長旅でつかれているおばあちゃんを起こしては悪いと思い、
静かにその乱入者を揺り起こしました。

しばらくして、ぼーっとして立ち上がった若者は、
浴衣をはだけたまま何度も辺りを見回した後、
誤りもせず部屋を出て行きました。

その後嫁さんはようやく安心したのか、眠りにつきました。
私もまた、あの不気味な叫び声もしなくなり朝まで熟睡できたのです。


お父さん達、これが、「野中温泉怪奇事件」の全容です。


 「おい、一人多いのは分かったが、お前が聞いたと言う、叫び声は、何だったのだ」

そうでした、叫び声が残っていましたね。

間違いなく、あの不気味な叫び声がしたのは事実ですし、
女性トイレの前で、私の足が震えたのも事実です。

あの叫び声が、何だったのかを解明せずに、話を終えては申し訳ないですね。

この解明は、事件を全く知らずに寝ていた長男とおばあちゃんに、
翌朝、私と嫁さんと次男の三人で事件の顛末を再現して見せたので、その中で。


事件の発端は、どうやら、家族の誰かが、部屋の鍵をかけ忘れたことから生じたようです。


嫁 「あのね、みんなが寝たので私も寝ようとしたの。
   そしたら、部屋に知らない人が入ってくるのよ!
   浴衣姿だし、部屋を間違えたのだと思ったの。
   教えてあげようと思ったけど、
   その人直ぐに押入から布団を取り出し、
   カズの横に敷いて寝てしまうでしょう。
   気味が悪くて眠れないでしょう。
   それで、一人多いのよ、と言って、
   お父さんを起こそうとしたのに、
   お父さんったら、なかなか起きてくれないんだから」

私 「おれは、お前が寝つかれないので、
   床の間の鎧兜を一人と数えて、
   おれを驚かそうとぐらいにしか思っていなかったんだ」

嫁 「でも、お父さん!
   あなた、トイレから戻ってきて、
   ちゃんと人数を数えていたじゃないの。
   その上、布団までめくって、確かめてたでしょう。
   それでも何もせず、そのままその人を寝かせておいたじゃないの」

私 「だってお前、
   普通、他人が、我々の部屋に入ってきて、
   寝ると思わないだろう。
   寝ているのが、カズという先入観があったし、
   お前が冗談を言っているとしか思っていないからな。
   布団をめくっても、何も気づかなかったのだろう」

嫁 「そのうち、アキも起きてきて、トイレに行って戻ってきたの。
   アキに教えようと思ったけど、
   その人、アキに何かしたら困ると思って静かにしていたの。
   そしたらアキが突然、布団の上に立ち上がった時にはビックしたわ」

アキ「だってさ、僕、トイレから戻って、お兄ちゃんの横に寝たんだ。
   そしたらさ、足が身体に当ったんだ。
   何でこんなところに足があるのかと思って、それで、人数を数えたんだ」

嫁 「その時のアキったら、本当におっかしいの。
   こうして指をさしながら人数を数えて、
   最後に、ひょこっと自分の顔を指すの。
   そして、また、数を数え出すんだから」

アキ「だってだってさ、
   何度数えても、一人多いんだヨ!
   それでさ、布団をめくって、確かめたんだ。
   そしたら、知らないやつが寝てんの。
   僕、母さんの所に行って、そいつをぶん殴ろうかと言ったんだ。
   でも、母さんが、止めとけと言うから止めたんだ」

嫁 「私は、お父さんが、なにもせず寝かせたままにしているのだから、
   アキに、止めなさいと言ったの」

私 「何度も言うけど、
   おれは、そいつのこと、カズと思っていたんだから」

嫁 「お父さんは、その人のこと放って寝てしまうけど、
   私は気になって寝付けないでしょう。
   それで、温泉に入りに行ったのヨ」

私 「お前、真夜中だぞ!
   そんな時間に、温泉に行くと思うわけ無いだろう。
   トイレにしてはなかなか帰ってこなし、
   おかしいなと思っていた矢先に、
   トイレの方から、ギャーッ、という叫び声だろう。
   びっくりして飛び起きたんだ」

嫁 「本当に叫び声なの!
   寝ぼけていたんじゃないの?」

私 「本当だって!
   どうしようと思っていたら、
   今度は、グエーッ、だろう。
   これは一大事だと思って、トイレに駆けつけたんだ。
   でも、お前はいないし。
   風呂場までの、あの薄暗い廊下の長かったこと。
   正直、足が、がくがく震えたね」

嫁 「お父さんが、風呂場まで迎えにきてくれた時は嬉しかったけど、
   私は、そんな叫び声なんか聞こえなかったわ。
   それに、部屋の知らない人のことが気になったので、
   お父さんにもう一度聞いたの」

私 「お前、夜中の二時に女性が風呂に行くか?
   しかも、あの薄暗い浴室だぞ。
   あの時、本当に、お前の返事が遅かったら、
   三度目の叫び声が聞こえたとき、
   おれ、腰を抜かしていたかもしれん。
   それだけ、気味悪かったんだから」

嫁 「それはそれは。
   でも、その叫び声は、何だったの。
   それと、布団にもぐりこんで寝ていた人もおかしいと思わない。
   自分で押入から布団を取り出して、
   カズの横に敷いて寝たのよ。
   他人の部屋と分からなかったのかしら」



この、怪奇事件の再現中、長男とおばあちゃんは、
布団の上で涙を流して笑い転げたことは言うまでもありません。

その後も、この「野中温泉怪奇事件」は、車の中で、何度も演じられ、
その都度、新たな笑いを誘ったのです。


 「おーい、これだけじゃ、
  例の叫び声が何だったのか、さっぱり分からないじゃないか」


と、消化不良のお父さん達の顔が浮かびます。

実は、あの「ギャーーッ、グエーッ!」の正体を、宿の人に訊ねたところ、
近くに現れる野生の鹿の声でしょうと、あっさりとした返事。

宿の人は、夜は、鳴かないのですがネ?と不思議がっていましたが。
とすれば、やはり、オンネトー湖の女性の叫び声だったのに違いありません!



  『朝になり 怪奇事件の 全容を
                 身振り手振りで 語り合う』

  『三人の 怪奇事件の 演目を
                 笑い転げて 聞く二人』





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2008.03.04 (Tue)

【一人旅】 七の二 家族との再会

 七の二   家族との再会                  八月二十七日




  『千歳での 第一声が あら元気
                互いの顔に 万感の笑み』

  『一人より 家族と共に 語り合い
                食べる食事の 暖かさ』



千歳空港着午後一時半の飛行機で家族がやってきます。
待ち切れずに、私が空港に着いたのが、ちょうど昼の十二時でした。

そういう家族も、朝の九時に家に電話した時には、
もう誰も電話に出ることは有りませんでした。

このように、人を待つのに、そわそわしたのは、
何年ぶり、いや何十年ぶりのことだろうかと思ったくらい、
家族の到着が待ち遠しいのです。

 「たかが、一ヶ月会わなかっただけではないか。
  世の中には、何年も会わずに、
  頑張っている人たちも多いというのに」


その通りです。
何とでも言って下さい。
人は人、私は私です。


空港ロビーには、夏休みも終わるためなのか、
東京へUターンする人たちで大混雑です。

大都会の人混みが嫌いで、地方の名も無い温泉巡りを趣味にしている私ですが、
このときばかりは、この人混みが何ともいえない、安らぎを感じているのです。


古い話で、申し訳ありませんが、独身時代、
ハイキングというか、近くの山歩きが好きで、
よく一人で、京都の周辺の山を歩き回っていました。

朝早くから夕方近くまで、人一人会わずに山の中で過ごした日には、
必ず帰りには、川原町の人混みの中を通り、
ほっとした時の感じに似ています。
ようするに、私は、人嫌いなのに、反面、大の寂しがり屋なのでしょう。


一時間半も前に、空港に着いていたのに、
レンタカーを借りたり、のどを通らない昼飯を食べたりしていて、
到着ロビーに着いたのは、飛行機の着く五分前でした。

しばらくして、ついにやってきました。
私の家族の一行が!

子供たちが先に、その後に、嫁さんとおばあちゃんが続きます。
階段を下りてくるところで、視線が合いました。

高一の長男は、照れくさそうに、
小六の次男は、Vサインを出しながら、
嫁さんは、私のほうを指差しながら、
おばあちゃんと顔を寄せ合って微笑んでいます。
どの顔にも白い歯が見えています。


到着ロビーのドアが開いて、出てきた家族の中で、
まず嫁さんの第一声が、

 「あら、元気じゃない!日焼けして太ったんじゃないの?」

日焼けと体重は関係有りません!

第二声が、

 「電話じゃ、たいしたもの食べていないと言っていたから、
  痩せているとばかり思っていたのに」


そうなのです。

一人で一ヶ月もの間、北海道を旅行しているだけでも、
嫁さんは、羨ましがっているのです。

その上、実は、時々、美味い肉や魚を食べているのだと、
正直に話そうものなら、何を言われるか分かりません。

嘘はつかない代わりに、都合の良いことだけを、
電話で言っていただけなのです。

カレーライスでビールを飲んだだけだとか、
カップラーメンだけの夕食だったとか。
それはそれで、事実なのですからね。

第三声が、

 「また、えらい若作りな格好をして、どうしたの!」

嫁さんが驚くのも無理が有りません。

実は、この日のために、“身勝手一人旅”の間、
一度も着なかった、まっさらなTシャツと短パンを着てきたのです。
それも、かなり明るい色調のものを。

旅行中の着古した貧相なものではなく、空港ロビーにいるギャルたちも、
思わず振り向きそうな(と、期待はしているのですが)格好なのです。

一ヶ月ぶりの家族との再会です。
みすぼらしい身なりで出迎え、一緒に行くのを拒否でもされたら大変です。
私も、寂しさの限界にきているのですから。

こうして、一ヶ月ぶりの家族との再会は、
涙や抱擁といった劇的なシーンも無く、無事に終了しました。


 『千歳での 第一声が あら元気
               互いの顔に 万感の笑み』



それぞれ、いや、私だけかもしれませんが、一ヶ月ぶりの再会の喜びを感じながら、
予約してあるレンタカーの店のほうに行きました。

「自分の車で北海道に来ているのに、なぜレンタカーを借りるの」

と、お父さん達は、不思議に思われるかもしれません。

このレンタカーを借りるのは、家族のたっての希望だったのです。
せっかく、おばあちゃんも一緒の家族旅行です。
大自然一杯北海道です。
乗る車も、ゆったりしたワゴン車がいいというのです。

確かに、一ヶ月も、“身勝手一人旅”で温泉巡りをするために、
積んできた“生活道具”で、私の車は一杯です。

どんなに綺麗に整理しても、あと大人一人分のスペースを確保するのがやっとです。
かといって、“生活道具”一式を空港のコインロッカーに預けても、
普通車で5人は窮屈です。

広い北海道の大地を、狭い車に押し込められての移動は、
楽しいはずが有りません。
こうして、五人の家族は、八人乗りのゆったりしたワゴン車に乗り、
待ちに待った、北海道旅行のスタートを切ったのです。

次男は、私との再会の喜びなんかはそっちのけで、
早速ワゴン車の乗り心地のテストです。
シートを倒してみたり、回転してみたりして、大満足の様子です。

今回の家族旅行が、四泊五日になったのも、長男の学校の行事のためなのですが、
当の本人は、少々疲れ気味なのか、助手席で静かにしています。

しかし、初めての北海道に、まんざらでもない様子で、
疲れた顔にもほっとした様子が伺えます。

嫁さんといえば、私と久しぶりに会ったことよりも、
おばあちゃんも含め家族全員で、北海道に来れたことの喜びで、
機関銃並みに、話しかけています。

そんな家族の会話を、本当にニコニコして聞いているおばあちゃんの笑顔が、
バックミラーに写っています。


お父さん達、何が幸せかといって、
この家族全員の笑顔ほど幸せなものはないでしょう。
しかも、その中にあって、一番幸せを味わっているのは、
ほかでもない、私自身なのです。


一ヶ月以上もの間、孤独な生活からくる寂しさで固まっていた私の身体が、
暖かな陽射しで氷が解けるように、ふぁーっと柔らかくなっていきました。


 「いま、お前が、どんな気持ちで車を運転しているのか、何となく分かる気がする。
  我々もたまには、ゴルフに行くのを止めて、家族旅行が必要かもしれないな」

そう、ぜひ、実行することをお勧めします。

しかし、所謂、家族への罪滅ぼしのための“家族サービス”であってはだめです。
私も過去に何度か、“身勝手一人旅”の罪滅ぼしのための“家族サービス”をしました。
その時の家族の様子と、今の家族の様子は、まるで違うのです。

お父さん達、なぜだか分かりますか?

 「一ヶ月ぶりの家族再会のためだろう」

そうですね、合っているようで、少し違っているかもしれませんね。

なぜ、これまでの、“家族サービス”と違うのか?
その答えは、私自身が、楽しいからなのです。

これまでの、“家族サービス”は、
“罪滅ぼし”や“サービス”という言葉にも現れている通り、
家族に、何かをしてやっている、というものですよね。

それに対し、今の私は、私自身が、楽しいのです。
そうです、家族への、“罪滅ぼし”や“サービス”といった気持ちがまるでないのです。

家族にも私の気持ちが伝わるのか、ワゴン車の中は、
北海道の大地のようにさわやかな雰囲気なのです。

ぜひ、お父さん達も、家族旅行のときは、
お父さん達自身が、楽しむことが、何よりも大切なことをお忘れなく!
決して“罪滅ぼし”や“サービス”であってはいけません。


今回の家族旅行の主な行き先は、札幌、道央それと宗谷岬です。
お父さん達に、この行き先を説明しても、何も思われない方は、
まだ北海道をよく知らない方ではないでしょうか。

これまで私は、一ヶ月、8000キロ以上を走り、
ほぼ北海道の主な所を回ってきました。

その途中で、家族と一緒に行くところは、一応、下見をしてきました。
私の場合は、一ヶ月間、家族旅行は、僅か、四泊五日の旅です。

札幌、道央、宗谷岬へ行くという、横浜での机上プランは、
体感的に無謀な計画だったのです。

下見の段階で、この計画の無謀さが分かるにつれ、
何回も家に電話して、計画の変更を提案しました。

嫁さんは、テレビや雑誌でよく紹介される札幌が、
どんな所か、見てみたいと譲りません。

長男は、北海道に行くなら、日本の最北端の宗谷岬は、
外せないと言い張るそうです。

結局は、各々の希望を聞き入れざるを得ませんでした。
そのため、下見の結果も考慮した宿やルートの変更が大変でした。

宗谷岬に行きたいという長男の気持ちは、何となく分かります。
私自身、日本の最北端の温泉と称する、稚内温泉に入った際、

 「あーー、日本最北端の温泉だ!」

と、感激したものです。

男には、こういった、訳の分からないものに、価値を見出すものなのです。
そうです、男のロマンというやつです。

しかし、分からないのが、嫁さんの札幌へのこだわりです。
札幌が、すばらしい都市だということは認めても、
所詮は、人間の作った人工物。

他の都市とそう変わる所がある分けがありません。
ただし、北海道の大自然に比べたら、の話ですが。

四泊五日の僅かな旅行期間、釧路空港に降りれば、
随分、楽な計画が立てられたのです。


札幌では、大通公園や北大のポプラ並木や時計台といった、
定番の観光スポットを見て周り、今日泊まる宿に向かおうとしたときです。

 「すすきのってどんなところ?行ってみたい」

と、突然、嫁さんが言い出すのです。

 「えっ!すすきの?」

この時、始めて、嫁さんが、札幌にこだわった理由が分かったのです!
私は、温泉巡りでは、北海道は、初めてですが、
仕事では、何度も札幌に来ています。
その時、お客と飲むところが、すすきのになるわけです。

お父さん達も、多くは、私と同じと思います。
ところが、お父さん達と少し違う要素として、
我が家には、夫婦どちらかが、旅行や出張時に、
一度は家に電話を入れるという、暗黙のルールがあります。

どうやら、このルールが、今回の嫁さんが、
札幌にこだわった原因のようなのです。


 「まわりくどくて良く分からないぞ!お前達の夫婦間の話はどうでもいいよ」

お父さん達、ちゃんと説明しますので、待ってください。

出張先から、今回の場合は、札幌からですが、

 「いま、すすきの・・・・」

と、呂律の回らない口調で電話をすることになります。

きっと、電話口からは、周囲では、華やいだ嬌声がもれ伝わるのでしょう。
嫁さんからは、不機嫌な声で、

 「今、何時だと思っているの・・・・」

と、お父さん達も、経験のあるような、返事が返ってくるわけです。

電話なんかしなくてもいいのに、と思うのですが、
習慣とは恐ろしいもので、ついしてしまうのです。

 「嘘つけ、単に嫁さんが怖いだけだろう」

お父さん達もそうなら、そういうことにしておきましょう。

こうして、嫁さんの頭に蓄積された、

 ”札幌→仕事→すすきの→嬌声”、

という構図が成り立つ、すすきのを自分の目で見ておきたかったのでしょう。

でもお父さん達、安心してください。
“すすきの”へ嫁さんを連れて行ったのは、
あの悩ましいネオンサインや嬌声の無い、まだ陽も明るい時間帯でしたので。


北海道での、第一泊目の宿は、このような、嫁さんの隠された理由で、
旅行の主目的の道央からはるか離れた、
札幌近郊の新十津川温泉に泊まることになりました。

家族は、高速道路を走る車から見える周囲の景色に驚き、感激しています。


 「これくらいで、驚くなよ。
  明日からは、一ヶ月滞在した北海道の中でも、
  とびっきり素晴らしいところに連れて行くからな」

私は、そう心の中で叫んでいました。


北海道での第一泊目を、新十津川温泉という、
札幌市内のホテルや定山渓温泉等に比べれば、マイナーな所にしたのは、
この温泉地の周囲の牧歌的な雰囲気を味わってもらいたかったからです。

広々とした田園の中に建つ、真新しい宿。
いかにも疲れた身体に効きそうな、薄コーヒー色をした温泉。
一ヶ月ぶりの家族の団欒に華を添えてくれました。

これまでの、一ヶ月間、
雨の降るなか、缶ビールを手に、狭い車の中で食べた、味気ない食事。

家族で食べる食事が、
こんなにも美味しく、楽しいものかと、
涙が出るのをこらえるため、
何度も大きな深呼吸をしながら、皆の話に参加する私でした。


 『一人より 家族と共に 語り合い
                食べる食事の 暖かさ』





                   (”北海道身勝手一人旅”目次へ






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