2007年05月 / 04月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫06月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:--  |  スポンサー広告  |  Top↑

2007.05.31 (Thu)

【一人旅】  一の一 3ヶ月の休みがもらえたら    

第一章 旅立ち

  一の一 3ヶ月の休みがもらえたら

                   七月二十日

  『会社を 出るときは もう戻れぬと
             気持ちは既に 退職の日』
  『浮き浮きと テレビカメラに 笑顔する
           妻の気分は タレント気取り』




 「暑ーい!」
 「カチカチに冷えたビールが飲みたーい!」


と、汗をかきながら働いているお父さん達。
もうすぐ短い夏休みが何とかとれそうだと、
喜んでいるサラリーマンのお父さん達。


驚かないで下さいヨ、私の勤める会社では、
何と3ヶ月もの休暇が取れるのですよ。しかも有給休暇でですよ。
企業の内示をもらい最後の夏休みを謳歌しようと考えている学生の皆さん、
その企業の内定で本当によいですか。
私の勤めているような会社もあるのですよ。


 私の勤めている会社には、一定の条件を満たした管理職に対し、
3ヶ月のリフレッシュ休暇が取れる制度があります。
何を隠そう、実は、このたび私もその恩恵を受けることが
出来るようになったのです。


うらやましいでしょう!

ちょうど人生の折り返しにさしかかる四十歳代の管理職に対し、
過去を振り返り、後半の人生をどう有意義に過ごすか、
仕事を離れて一度ゆっくり考えてみよう,
という趣旨で発足した制度なのです。

管理職となり一番ストレスのかかる年代、
文字通り心身のリフレッシュをするための制度でもあります。

 しかし、この制度が発足した当時は、第一線の管理職が
3ヶ月も職場を離れることが出来るわけが無いと、
社内でもそう簡単にこの制度を受け入れる素地が出来ていませんでした。

後日、聞いたところによると、制度運用当初は、
この制度を実際に取得しようとする管理職は極端に少なく、
会社のほうから、有資格者の上司に対し取得のための環境作りの
働きかけがあったとのことです。
それくらいこの制度は、当時の社会情勢や日本のサラリーマン
社会では異常なもののようでした。


 その後、実際に制度を利用した先輩管理職の職場での対応や、
取得者の評判が良かったのか、順調に制度を利用するようになり、
今ではほとんどの有資格者は、この制度を利用するようになって
きています。


 この制度の取得率が向上する理由の一つに、
3ヶ月の休暇をどのように使うかは、全く本人の自由である点、
また取得後、会社への報告書の提出などは、一切不要な点があると思います。
もっとも、利用目的の制限や、報告書の提出が義務付けられれば、
それだけでも、リフレッシュの意味が損なわれますが。


 制度運用当初、新聞や他のメディアにも取り上げられ、
何人かの制度利用者の体験が、紹介されました。
その結果かどうか分かりませんが、リクルート面でも良い効果が現れ、
学生達の人気も上がったと聞いています。
面接時、受験した学生の中に、いつ3ヶ月の休暇がもらえるのか
質問した者がいたそうです。
入社面接時に、もう休むことを考えているとは、
さすが、昨今の学生ですね。


 もう一つ笑い話に出来ない身につまされた話があります。
これまでがむしゃらに働いてきたサラリーマンにとって、
3ヶ月もの休暇、どのように使ってもよいと言われても、
当人には実に悩ましい問題となったようです。
現に、取得予定者のキックオフミーティングの集まりで、
そのときになっても、まだ計画が立てられない人たちがいた
との話も聞いています。


 このような人たちのためかどうかは分かりませんが、
計画を立てるときの参考にと、これまでリフレッシュ休暇を取得した
人たちの体験を会社のほうでインタビューしてまとめ、
小冊子にして配布してくれています。


それまでは、口伝えでしか、体験談が聞こえてこなかったのですが、
この小冊子の中での一つの体験談が、大きな波紋を巻き起こしました。
その体験談は、奥さんと二人で海外旅行に出かけたときのものです。
有資格者の多くは四十歳代後半で、中学生や高校生の子供をもち、
受験やその他の多くの課題をかかえ、一番子供に手のかかる年代
でもあります。


また中間管理職として休日も仕事やゴルフ等で休日を家族と
一緒に過ごすことの少ない年代でもあり、
夫婦二人だけで旅行したことなど皆無に近い年代でもあります。
そんな夫婦が二人きりで海外旅行にいく計画を立てるのです。
奥さんも、日ごろの子供の世話から開放されるこの夢のような計画には、
もちろんもろ手を挙げて賛成です。
ただし、その計画を立てている段階では。


奥さんにしてみれば、


 「飯し、お茶、風呂!」


くらいしかしゃべらない旦那が、何を考え、どのような仕事をし、
毎日どう過ごしているか知る良しもありません。
一方、旦那にしても、奥さんが、子供のことで、
色々相談したいことが一杯あるにもかかわらず、


「仕事で疲れているのだ、又にしてくれ」


と、避けて通っている状態では、奥さんが何に悩んでいるか
分かるはずもありません。
そんな夫婦が二人だけで、海外旅行をするのですよ。
しかも3ヶ月間も。


どのような話題で、有り余る時間を一緒に過ごせば良いと思われますか。


そうです、
海外旅行中、予定半ばにして、日本に帰ってきてしまった
夫婦の体験談が載っていたのです。

 その後は、多くの有資格者にとって、計画の立てやすい海外旅行を
夫婦二人で行く場合、そのノウハウとして、海外旅行に行く前、
何泊かの国内旅行で、日頃の「日常」と夫婦だけでの旅行という
「非日常」のギャップを埋める努力をする夫婦が出てきたそうです。
冗談だろうと言い切れないところに、日本のサラリーマンの夫婦の
悲哀が感じとれないでしょうか。


 さて私の場合、幸か不幸か分かりませんが、
日々の夫婦のコミニュケーションレスという
「日常」にどっぷりつかった状態で、急に「非日常」である夫婦二人で
海外旅行に出かけるという計画実行しなくてもよい、
3ヶ月の休暇を過ごす計画がありました。


 私は、リフレッシュ休暇制度が発足するかなり以前から
日本全国の温泉めぐりを趣味としています。
そもそもは、仕事の関係で、会社の工場に行く機会が多かったのですが、
どういうわけか、工場の所在地の近くに温泉地があるのです。
静岡県三島・長野県飯田・岡山県岡山市・鳥取県倉吉市・島根県出雲市・
佐賀県武雄市・熊本県山鹿市・熊本県阿蘇一宮と有名無名な温泉地が
数え切れなくらいに点在してます。


そこでどうせ泊まるなら味も素っ気も無いビジネスホテルより
温泉宿に泊まろうと思ったのが、温泉巡りのきっかけです。
その後、週末やGW、夏季休暇、正月休み等を利用して、
車で温泉巡りをしています。


そのため、以前からこの制度を利用して、気の済むまで温泉巡りを
思いっきり楽しもうと考えていました。


 しかし、問題の小冊子を家に持ち帰り、何気なしに嫁さんに見せた
ところ、状況は一変したのです。


 「他の人は、奥さんと海外旅行なのに、何で私だけが、
  夏の暑い時に、二人の子供の面倒を見なければならないの!」


嫁さんも、子供二人を残して、長期間、海外旅行などいけないのは
分かっているのです。
でも、私だけが、ご気楽トンボのように、一人で温泉巡りをするという
計画が面白くないのでしょう。


話し合いの結果、1ヶ月は、子供の夏休みを利用し、家族で北海道旅行を、
残り2ヶ月は、一人で、気ままに好きな温泉巡りを行う計画で
双方妥協が出来ました。


ところが、この妥協案を子供に投げかけてみたところ、
私が、いかに日頃子供たちから浮き上がった存在であるかを露呈する
ことになってしまいました。


「ぼく、お父さんと1ヶ月も旅行するの嫌や!友達と遊んでいる」


と次男が言い、


「学校の行事があるから、行かれへん!」


とつれない長男の答え。

嫁さんの機嫌も取り、子供たちを拝み倒して、それでも、
何とか四泊五日の北海旅行の了解を取り付けることができました。
3ヶ月の内、四泊五日だけ家族と一緒で、
あとは当初の計画通りの一人旅。
1ヶ月を北海道、1ヶ月は中国四国、残りを九州の温泉を巡るのです。
本来なら嬉しいはずですが、何故か心には隙間風が・・・・。


 そうこうしているうちに、
リフレッシュ休暇まで一週間に迫ったころ、
思わぬ話が飛び込んできたのです。


某テレビ局が、会社を通じて、
「日本の企業戦士の夏休み事情」の企画の中の特異事例として、
この異常ともいえる3ヶ月ものリフレッシュ休暇をとる
私への取材申し込みがあったのです。


一日は、会社での仕事の状況や部下たちの感想。
一日は、家族へのインタビュー。
残り一日は、旅先でのリフレッシュ中の様子を取材するという内容です。
3ヶ月もの休暇がもらえるのです。
この際会社からの打診に意義を申し立てる立場ではないので、
家族の同意なしでOKの返事をしました。


 会社での取材は、休暇中の仕事に引継ぎを中心に
部下たちの意見を聞きだすものです。
まあよくもこれだけ好きなことが言えるものだと思うくらい
言いたい放題です。


 「上司が休んでも、ほとんど影響がありません」


というのが大多数の意見です。
よく言えば、自立した部下たちですが、実態は、いてもいなくても
代わり映えのしない私なのでしょう。

会社を長期に休むにあたり、身の回りの整理をしたり、
顧客への挨拶をしている間も、部下や他の社員は、
何事も無く平常どおりに仕事をこなしています。


これで3ヶ月、順調に仕事の成果が出ていれば、
間違いなく私は用無しだな、と思いながら会社を後にしたのです。



 『会社を 出る時は もう戻れぬと
               気持ちは 既に退職日』


 翌日は、自宅での家族とのインタビューです。
3ヶ月もの長期休暇を家族、特に嫁さんがどう捉えているのかを
取材するのが目的です。

しかし我が家では、取材の目的とは関係なく、嫁さん流の準備が
進められれていました。

当然ながら、これまではテレビは見るもので取材されたことは
一度も無いため、家族の対応はそれぞれまちまちです。


 小六の次男は、テレビはどうして撮るものなのかと興味深々で、
全面協力の姿勢。高一の長男は、照れくさいのか、
自分には関わりがござんせん、とばかりに取材非協力の態度。
で、問題の嫁さんは、というと、これが一番のパフォーマンスを
演じたのです。


実家や友達の家に電話し、


 「ねーねー、聞いて、聞いて。私たちテレビに出るのヨ」


と、取材目的はそっちのけで、完全にミーハーしています。
美容院には行くは、着る服が無いといっては騒ぎ出すは、
もう大変です。


家の中に入って取材するということで、
掃除を言いつけられた子供たちは、


 「お母さんがテレビに出たいんやろ、自分でやったら!」


と、嫁さんの心を見透かしています。


 取材当日、三人のスタッフと共にやってきた女子アナは、
これも家族の思惑とは関係なく、
ちゃんと当初の取材目的を皆から聞き出したのはさすがプロでした。


絶対にカメラの前には出ないと言っていた長男までもが、
彼女の前では、一人の出演者になっていました。


 「お父さんは、休みでも、遊んでくれないし、
  何処にも連れて行ってくれない」



と、正直に応えていた次男。長男に対して、


「寂しくは有りませんか」


との問いに対して、


 「別にどってことありません」


と、これまた日頃の、私の家での立場を表現した答え。


それでも、車で出発するシーンで、どうにか、家族全員が、
手を振ってくれたのには、ほっとしました。



 『浮き浮きと テレビカメラに 笑顔する
              妻の姿は タレント気取り』



 この自宅での、テレビ取材の日が、
リフレッシュ休暇の一日目でしたが、実際の温泉めぐりの旅は、
二日遅れのスタートとなりました。


四十日間の北海道への旅立ちの感傷に浸る暇も無く、
その当日を迎えることになりました。





                  (”北海道身勝手一人旅”目次へ



                           



スポンサーサイト

テーマ : 一人旅 ジャンル : 旅行

EDIT  |  14:40  |  北海道身勝手一人旅  |  TB(1)  |  CM(0)  |  Top↑

2007.05.26 (Sat)

【一人旅】  プロローグ  野中温泉怪奇事件  

プロローグ   野中温泉怪奇事件             八月二十八日




  『真夜中に 家族が一人 増えにけり
                  身の毛もよだつ 怪奇の館』

  『闇の中 トイレに行きし 嫁さんが
                  断末魔残し いなくなり』





 「ね~~ェ、お父さん、一人、多いのヨ~」
 「ね~~ェ、お父さんったら、一人、多いの知っているの」


旅館の部屋で、先に寝入ってしまっていた私を、嫁さんが、
夜中に何度となく揺り起こそうとするのです。
なんと、これが、これから始まる横溝正並みの怪奇事件の
始まりだったのですが・・・・・。


その日、おばあちゃんと高一と小六の男の子供2人と嫁さん
合わせて家族5人は、ワゴン車に乗り、北海道道東のオンネトー湖
湖畔を走っていました。
嫁さんとおばあちゃんが話し合っています。


「すごく神秘的だね。あんなコバルトブルー見たことが無いよ」
「神秘的というより、なんだか怖ーい」


そうなのです。湖面に映った雌阿寒岳は、射し込む夕陽で真っ赤に染まり、
さざ波がたった一瞬、苦渋に満ちた女性の顔のように見えたのです。
湖面に出ている枯れ木が、ちょうどその女性を刺したナイフに見えたのは、
私だけだったのでしょうか。



つるべ落としの夕暮れの中、野中温泉の宿に着き、
家族は部屋に案内されました。そのとたん、


「ぎぇエーーー」


高一の長男の叫び声。
他の者はいったい何が起きたのかと肝をつぶしました。


「あれ、あれ見てー!」


長男が、指差したところには、古色然とした鎧兜を身にまとった
荒武者がカーッと口を開け床机に腰掛けていたのです。


「あーびっくりした、なんや鎧兜やないの!」
「あんた高一でしょうが」


皆は、高一にもなった長男が、床の間に置いてある鎧兜に驚いたことを
なじりました。


「あの鎧兜に人が入っているのと違うか、目が動いたで」
「何言っているの、ただの鎧兜でしょう」


それでも、自分自身が驚いたことに不満でもあるのか、
長男は床の間に近づき、


「でも、本当に目が動いたんや」


と、鎧兜を穴の開くほど見つめていました
確かに長男が驚くのは無理もありません。
よく見れば見るほど、実際に生身の戦国武者が鎧兜を
身に着けて座っているように見えるのです。
その兜の下から不気味な空洞の目が、
何か我々に訴えかけているように思えるのです。


ひょっとして、その鎧兜は戦国時代に人を殺しあった時の鎧兜で、
殺された人たちの怨霊が、この部屋に漂ってたのかもしれません。



オンネトー湖の女性の霊気といい、戦国武者の怨霊といい、
怪奇事件の舞台はすっかり出来上がっていたのです。

しかし、家族の誰一人それに気づくことも無く、
食事をし、温泉に入り、寝床についたのでした。
ただこの時、長男だけは、頑として鎧兜のある部屋には寝ようとせず、
おばあちゃんと隣の部屋に布団を敷いて寝たのです。

このことが、彼ら二人は、真夜中に起きた怪奇事件に巻き込まれずに
朝を迎えることが出来たのです。

ひょっとして長男だけは何かを感じ取っていたのかもしれません。



 札幌からの長距離、車を運転してきた疲れと、総ヒバ作りの浴槽に
あふれる硫黄泉が身体に効いたのか、
酒の酔いも手伝い、私は布団に入るとすぐ眠りについたようでした。


どれくらい眠っていたのか分かりませんが、隣に寝ていた嫁さんが、
他のものを起こさないよう低い声で、


 「ね~~ェ、お父さん、一人、多いのヨ~」


と私を揺り起こすのです。自分が寝付かれないからといって、
私を起こさなくてもいいのに、と思い相手にしませんでした。
それでもあきらめられないのか、何度も私を揺すりながら、


 「ね~~ェ、お父さんったら、一人、多いの知っているの」


と、分けのわからないことを言い続けるのです。
私は、長男が驚いた鎧兜が怖くて寝付かれず、
それを一人と数えて私を驚かそうとぐらいにしか思っていません。
嫁さんには適当に相槌を打っていましたが、
余りにもしつこいので一旦起きてトイレに行きました。
部屋に戻ると嫁さんが布団の上に座り、長男の方を指差しているのです。


 「一人多いのヨ」


まだ、分けのわからないことを言っているのかと思いながらも、
嫁さんの指差すほうの布団をめくってみました。
メガネをかけたまま寝ている長男の寝顔を確かめて
(何でメガネをはずしてやらなかったか、自分でもよく分かりません
でしたが)、
再び自分の布団にもぐりこみました。
嫁さんは、諦めたのか、もう私を揺り起こすようなことはしなくなりました。

次男もそのうちトイレに行って来たようで、
しばらく嫁さんと小声で何かを話していました。


 「お父さんがいいと言っているのだから、やめておきなさい」


という嫁さんの声で、静かになりました。
嫁さんは、まだ寝付かれないのか、しばらくして部屋を出て行きました。
しかし、なかなか戻ってこないので、遅いなと、思い始めたその時です。
トイレのほうから断末魔の時のような、


 「ギャーーーッ!」


という叫び声が聞こえたのです。
私はもうびっくりして布団の上に飛び起きました。
隣の嫁さんの布団は空です。
目を上げた視線の先には、あの不気味な鎧兜の戦国武者が
私をじっと見つめています。
正直言って背筋がゾーッと凍りつきました。
この時、直ぐに叫び声のしたほうに走っていけばよかったのですが、
寝ぼけた状態で、何が起きたのか事態がつかめず、
しばらくは、ぼーっとしていました。
しかし再びトイレのほうから、今度は、


 「グエーッ!」


という声です。
さすがの私も、目が覚め、ただならぬことが起きたことだけは分かり、
急いでトイレのほうに駆け出しました。

 女性トイレの外から声をかけたのですが、嫁さんの返事がありません。
事態は急を要する場合です。
女性トイレだからといって躊躇している場合ではありません。
トイレのドアを一つ一つノックして確かめたのですが、
嫁さんの姿はありません。


「あの叫び声は」
「嫁さんは何処へ連れ去られたのだろうか」


オンネト-湖の女性の霊気と、戦国武者の怨霊が頭をよぎり、
私の足はがたがた震え出していました。

トイレから入れ違いになったとは思えませんが、
念のために部屋をのぞいてみましたが、嫁さんの姿はありません。
鎧兜の空洞の目が、尚一層無気味さを増して私を睨みつけています。
時計を見ると、真夜中の二時過ぎです。


 
  『真夜中に 家族が一人 増えにけり
              身の毛もよだつ 怪奇の館』
  『闇の中 トイレに行きし 嫁さんが
               断末魔残し いなくなり』

 

皆さん、この続きは、エピローグで。 


                 


                  (”北海道身勝手一人旅”目次へ


















テーマ : 一人旅 ジャンル : 旅行

EDIT  |  12:56  |  北海道身勝手一人旅  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

2007.05.24 (Thu)

【私は、つくね】     また一人(?)犠牲者が      

第三話 また一人犠牲者が


今回は、噛み噛み息子がつれてきた生後5ヶ月目のメスのチワワの話です。


ちょっとその前に、私の家族について簡単に紹介をしておきまーす。

まずは、主人である、おとん。
その嫁さんである、おかん。
長男の、おにーちゃん。
噛み噛み息子で次男の、ちーにいちゃん。
それに長女で末っ子の私。


あっ!私の大事なしもべを忘れていた。
そう、おかんの母親である、ばっちゃん。
それとちーにちゃんの彼女の、おねえちゃん。
以上の7人が、我が家の家族でーす。


「ねー、私を忘れているよ!」


あっそうか、残ったおはぎを出すのを忘れていた。


「!?」
「あんこのおはぎじゃないよ、私のことだよ」
「おはぎは、おとんがさっきお茶請けに食べ、あと一個残っているよ」
「意地悪しないで、早く私を紹介してよ」


そうなんです。その子の名前は、実は”おはぎ”というんでーす!


「!?」


噛み噛みのちーにいちゃんがまた名付け親と思うでしょう。おはぎ

違うんだって。
名前を付けたのは、
ちーにいちゃんの彼女のおねえちゃんなの。
口の周りが、あんこのように黒いので、
”おはぎ”と名付けたんだってさ。

ちーにいちゃんもちーにいちゃんなら、
おねえちゃんもおねえちゃんだ。


”おはぎ”も成長するに従いきっと恥ずかしい思いをすると思うよ。
本当に、我々の人格、いや犬格を彼らはどう考えているのかな。


そんなおはぎも外に連れ出せるようになったので、
ちーにいちゃんとおねえちゃんが、
二人を散歩に連れて行ってくれるだけど、


「おはぎー!危ないったら、こっちにおいで」
「つくね、おはぎを吠えないの!」


道行く人は何と思うでしょうね・・・・・ ?!

               (”【私は、つくね】目次へ





テーマ : ダックスフント大好き♪ ジャンル : ペット

EDIT  |  12:40  |  私は、つくね  |  TB(0)  |  CM(2)  |  Top↑

2007.05.23 (Wed)

【私は、つくね】     私は、つくね?!         

第二話 私は、つくね



私の名前は”つくね”

”つくね”だよ、ひどいと思わない!
人間の子供なら絶対親を恨み登校拒否だねよね!
でも、この名付け親は、私の主人ではなく、主人の2番目の息子なの。


私の右の写真、見て見て!つくね20
自分で言うのも何だけど、美人でしょう!
私の主人や家族は、


「つくねは、かわいいな~!」


と言いながら、みんなで私を撫で回したり頬ずり
してくるんだから。

私の名付け親の次男にいたっては、可愛さがこうじて、
私の身体を噛みにくるのだから。


犬が人間を噛むんじゃないのよ、
人間が犬の私を噛むんだから!

もうこれだけでニュースでしょう!


”○○君が、おいしそうにつくねを噛んでいます”

「?!」


別に可笑しくもなんともないな!
人間が焼き鳥を噛んでいても、ニュースにはならないか。


あの息子め。
そこまで見越して私の名前を”つくね”と名付けたのかな!


そんなわけで、噛みたいほど私のことを大好きな次男は、
独立しても、よくこの都筑の実家に遊びにくる。

別に親孝行のために主人夫婦に会いにくるのではなく、
私を噛み付きたいためにやってくるとしか思いようがない。


でも、噛み付くという彼の屈折した愛情表現の現われと思って、
しょうがなく彼の好きなように噛まさせてやっているの。


それでも、この”つくね”という私の名前はやはり恥ずかしい!
主人夫婦と散歩に出ていてよく知らない人から、


「まあ、可愛い!まだ子供ですか?」


まではいいのです。


「いいえ、もう7歳です」

つくね21

そう、美人と言っても、いまは大人の色気から熟女の貫禄に
変わって来ています。

2枚の写真を見比べて見てもみても、確かに若いときは
自分でも可愛いと思うけど、
最近の私はやはり太りだして・・・・





「何と名前ですか?」
「つくね、と言うんです」
「!?」
「焼き鳥の”つくね”です」


どうして、そこまで言うのかな!

私は、血統書付きのれっきとしたミニチュアダックスフントであり
焼き鳥ではないのに!


このような私のナイーブな気持ちなど無視して、散歩のたびに、
私が少しでもわき道にそれるなどしたら、主人は


「つくね!つくねーー!」


とあたりかまわず、大声で私を叱るのです。
恥ずかしいったらありゃしない。


だから、私は散歩より家の中が好きになったのです。
それなのに家族の皆は、


「この子は、小さいときから散歩が好きではないな」


と不思議がるのです。
皆、分かちっゃいないな!
親が子供のことを分かっていないのは、どこの家庭でも同じかも。


それでも、よく考えれば、”つくね”という名前は
すごく個性的な名前かもね。


咬み咬み息子は、私の愛が親父に向けられた失恋の痛みなのか
私への腹いせなのか、自分たちの家でも犬を飼いだしたのです。


なんと、そのチワワの名前は、"○○"なのでーす!
(次回、この子の話をするのでお楽しみに)



追伸:
先日は、椎間板の炎症でご心配をおかけして済みませんでした。
病院からもらった薬が効いているのと、
医者から言われた絶対安静ということでの家族の私への手厚い対応で
何とか痛みは取れて来ています。



               (”【私は、つくね】目次へ






テーマ : ダックスフント大好き♪ ジャンル : ペット

EDIT  |  07:09  |  私は、つくね  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

2007.05.21 (Mon)

【私は、つくね】     つくねが・・・・             

第一話 つくねが


つくね6「ねえ、つくねが、駄目みたい」

まさに五月晴れ。
横浜港北ニュータウンの空は快晴だ。
都筑の風が、心地よく私の身体を吹き抜けていく。
家の近くから、”緑道”という自然豊かな散歩道を
歩いている時だ。
携帯に嫁さんからの沈んだ声が入る。


「つくねが、歩けないの。だっこしてもキャンと言って痛がるの」


7歳になるメスのミニチュアダックスフントのつくねがおかしいのだ。
いつも週末は夫婦二人で2から3時間程度、散歩というか健康のため
歩いているのだが、今日はつくねが心配なので私一人で出かけていた。


「歩くのがおかしいの。よろよろしているの。」


子供も独立した我々夫婦にとって、つくねはなくてはならない家族の一員だ。
つくねも自分のことを犬と思っていないのか、犬社会には全く溶け込もうと
はしない。
散歩の途中、他の犬にであった場合、無視して通りすごすか、近づいてきた
犬に対しては、それ以上近寄るな、とばかり吠えまくる。


「早く帰ってきて、つくねがあなたを待っているみたい」


つくねにとっては、私が主人になる。
毎朝毎夜の玄関までの送り迎えはもちろんのこと、夜寝る時も私の腕枕で
一緒に布団の中に入ってくる。

そんな、かわいいとしか言いようのないつくねが駄目だと!
つくねにもしものことがあると考えると・・・・。

嫁さんからの携帯電話を受けて、快晴の空も新緑の緑道も目に入らなくなる。
どうしよう!どうしよう!
気がせいて、駆け足になるが息が続かない。
なんとか家にたどり着き、ドアを開ける。


「つくねは!?」


嫁さんがリビングのフローリングに横になってつくねの背中をなぜている。

 
「だっこすると痛がるので、寝かせているの」
「病院に連絡したのか!」
「2時からなんだって」
「急病なんだから、すぐ行と言えばよいのに!」
「今からでたら2時頃になるわよ」
「この近くの病院探そうか」
「つくねのこと良く分かっている、かかりつけの病院のほうがいいって」


結局、以前住んでいた鶴見のかかりつけの病院に行くことにする。
そーっと嫁さんの膝の上につくねをのせ車を出す。
いつもなら、車に乗せたとたんに、運転席の私のほうにこようとするのに、
今日はピクリともしない。
余程痛いのだろう。

かかりつけの病院に2時少し前に着いた。
車から降りるとき、キャンと泣いたつくねが病院の中に入った
とたん、全身に震えが走る。
病院にくると毎度のことだ。
ここがつくねにとって何をされるところなのか身体で覚えているのだ。
それでも、こんなに震えて痛みは大丈夫なのか心配になる。

先生に症状を説明する。
先生は、我々のように動揺することもなく、淡々と症状を確認して一言。


「多分、椎間板の炎症でしょう。レントゲンとって見ますが」


あっさりしたものだ。
こちらは、ひょっとして、つくねにもしものことがあったら、どうしよう
かと心配しているのに。
もっとも先生が我々のように動揺していたら仕事にならないのも事実だが。

しばらくして、先生より、診察結果を伺った。


「レベル2の椎間板の炎症ですね。1週間分の抗生物質を出しておきます。
 1週間後にまた来て下さい。レベル3になると自立歩行が辛くなります
 ので、ここニ三日は絶対安静です」

淡々とした対応だけど、やはり症状はきついのだ。
つくね13

先ほど全身で震えていたが嘘のよう安心しきった
つくね。
でも、涙を一杯流したのだろう、目の周りの毛が
濡れている。
頬すりをしてやると、私の顔を嘗め回してくる。


よかった、とりあえずは!!




                (”【私は、つくね】目次へ

テーマ : ダックスフント大好き♪ ジャンル : ペット

EDIT  |  21:34  |  私は、つくね  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

2007.05.20 (Sun)

【一人旅】     「北海道身勝手一人旅」        

 これからお話する「北海道身勝一人旅」は、
会社から付与された3ヶ月間のリフレッシュ休暇のうち40日間を
一人で北海道の温泉を巡った時の旅行記です。
 なお、旅行記を書いたのはかなり前なので、温泉地の様子等は現在と
違っているかもしれません。あらかじめご了承ください。
今回、40日間のうち最後の1週間は家族と一緒の旅行でした。
出だしは家族とのある温泉地での出来事です。
また投稿記事の中の月日は、その記事の出来事があった月日です。

テーマ : 一人旅 ジャンル : 旅行

EDIT  |  08:17  |  北海道身勝手一人旅  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

2007.05.19 (Sat)

【都筑の風】

ブログをはじめました。横浜港北ニュータウン在住です。この地の四季折々の雑記と趣味の温泉やペットのことについて投稿していきます。

EDIT  |  14:58  |  都筑の風  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。