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2007.05.31 (Thu)

【一人旅】  一の一 3ヶ月の休みがもらえたら    

第一章 旅立ち

  一の一 3ヶ月の休みがもらえたら

                   七月二十日

  『会社を 出るときは もう戻れぬと
             気持ちは既に 退職の日』
  『浮き浮きと テレビカメラに 笑顔する
           妻の気分は タレント気取り』




 「暑ーい!」
 「カチカチに冷えたビールが飲みたーい!」


と、汗をかきながら働いているお父さん達。
もうすぐ短い夏休みが何とかとれそうだと、
喜んでいるサラリーマンのお父さん達。


驚かないで下さいヨ、私の勤める会社では、
何と3ヶ月もの休暇が取れるのですよ。しかも有給休暇でですよ。
企業の内示をもらい最後の夏休みを謳歌しようと考えている学生の皆さん、
その企業の内定で本当によいですか。
私の勤めているような会社もあるのですよ。


 私の勤めている会社には、一定の条件を満たした管理職に対し、
3ヶ月のリフレッシュ休暇が取れる制度があります。
何を隠そう、実は、このたび私もその恩恵を受けることが
出来るようになったのです。


うらやましいでしょう!

ちょうど人生の折り返しにさしかかる四十歳代の管理職に対し、
過去を振り返り、後半の人生をどう有意義に過ごすか、
仕事を離れて一度ゆっくり考えてみよう,
という趣旨で発足した制度なのです。

管理職となり一番ストレスのかかる年代、
文字通り心身のリフレッシュをするための制度でもあります。

 しかし、この制度が発足した当時は、第一線の管理職が
3ヶ月も職場を離れることが出来るわけが無いと、
社内でもそう簡単にこの制度を受け入れる素地が出来ていませんでした。

後日、聞いたところによると、制度運用当初は、
この制度を実際に取得しようとする管理職は極端に少なく、
会社のほうから、有資格者の上司に対し取得のための環境作りの
働きかけがあったとのことです。
それくらいこの制度は、当時の社会情勢や日本のサラリーマン
社会では異常なもののようでした。


 その後、実際に制度を利用した先輩管理職の職場での対応や、
取得者の評判が良かったのか、順調に制度を利用するようになり、
今ではほとんどの有資格者は、この制度を利用するようになって
きています。


 この制度の取得率が向上する理由の一つに、
3ヶ月の休暇をどのように使うかは、全く本人の自由である点、
また取得後、会社への報告書の提出などは、一切不要な点があると思います。
もっとも、利用目的の制限や、報告書の提出が義務付けられれば、
それだけでも、リフレッシュの意味が損なわれますが。


 制度運用当初、新聞や他のメディアにも取り上げられ、
何人かの制度利用者の体験が、紹介されました。
その結果かどうか分かりませんが、リクルート面でも良い効果が現れ、
学生達の人気も上がったと聞いています。
面接時、受験した学生の中に、いつ3ヶ月の休暇がもらえるのか
質問した者がいたそうです。
入社面接時に、もう休むことを考えているとは、
さすが、昨今の学生ですね。


 もう一つ笑い話に出来ない身につまされた話があります。
これまでがむしゃらに働いてきたサラリーマンにとって、
3ヶ月もの休暇、どのように使ってもよいと言われても、
当人には実に悩ましい問題となったようです。
現に、取得予定者のキックオフミーティングの集まりで、
そのときになっても、まだ計画が立てられない人たちがいた
との話も聞いています。


 このような人たちのためかどうかは分かりませんが、
計画を立てるときの参考にと、これまでリフレッシュ休暇を取得した
人たちの体験を会社のほうでインタビューしてまとめ、
小冊子にして配布してくれています。


それまでは、口伝えでしか、体験談が聞こえてこなかったのですが、
この小冊子の中での一つの体験談が、大きな波紋を巻き起こしました。
その体験談は、奥さんと二人で海外旅行に出かけたときのものです。
有資格者の多くは四十歳代後半で、中学生や高校生の子供をもち、
受験やその他の多くの課題をかかえ、一番子供に手のかかる年代
でもあります。


また中間管理職として休日も仕事やゴルフ等で休日を家族と
一緒に過ごすことの少ない年代でもあり、
夫婦二人だけで旅行したことなど皆無に近い年代でもあります。
そんな夫婦が二人きりで海外旅行にいく計画を立てるのです。
奥さんも、日ごろの子供の世話から開放されるこの夢のような計画には、
もちろんもろ手を挙げて賛成です。
ただし、その計画を立てている段階では。


奥さんにしてみれば、


 「飯し、お茶、風呂!」


くらいしかしゃべらない旦那が、何を考え、どのような仕事をし、
毎日どう過ごしているか知る良しもありません。
一方、旦那にしても、奥さんが、子供のことで、
色々相談したいことが一杯あるにもかかわらず、


「仕事で疲れているのだ、又にしてくれ」


と、避けて通っている状態では、奥さんが何に悩んでいるか
分かるはずもありません。
そんな夫婦が二人だけで、海外旅行をするのですよ。
しかも3ヶ月間も。


どのような話題で、有り余る時間を一緒に過ごせば良いと思われますか。


そうです、
海外旅行中、予定半ばにして、日本に帰ってきてしまった
夫婦の体験談が載っていたのです。

 その後は、多くの有資格者にとって、計画の立てやすい海外旅行を
夫婦二人で行く場合、そのノウハウとして、海外旅行に行く前、
何泊かの国内旅行で、日頃の「日常」と夫婦だけでの旅行という
「非日常」のギャップを埋める努力をする夫婦が出てきたそうです。
冗談だろうと言い切れないところに、日本のサラリーマンの夫婦の
悲哀が感じとれないでしょうか。


 さて私の場合、幸か不幸か分かりませんが、
日々の夫婦のコミニュケーションレスという
「日常」にどっぷりつかった状態で、急に「非日常」である夫婦二人で
海外旅行に出かけるという計画実行しなくてもよい、
3ヶ月の休暇を過ごす計画がありました。


 私は、リフレッシュ休暇制度が発足するかなり以前から
日本全国の温泉めぐりを趣味としています。
そもそもは、仕事の関係で、会社の工場に行く機会が多かったのですが、
どういうわけか、工場の所在地の近くに温泉地があるのです。
静岡県三島・長野県飯田・岡山県岡山市・鳥取県倉吉市・島根県出雲市・
佐賀県武雄市・熊本県山鹿市・熊本県阿蘇一宮と有名無名な温泉地が
数え切れなくらいに点在してます。


そこでどうせ泊まるなら味も素っ気も無いビジネスホテルより
温泉宿に泊まろうと思ったのが、温泉巡りのきっかけです。
その後、週末やGW、夏季休暇、正月休み等を利用して、
車で温泉巡りをしています。


そのため、以前からこの制度を利用して、気の済むまで温泉巡りを
思いっきり楽しもうと考えていました。


 しかし、問題の小冊子を家に持ち帰り、何気なしに嫁さんに見せた
ところ、状況は一変したのです。


 「他の人は、奥さんと海外旅行なのに、何で私だけが、
  夏の暑い時に、二人の子供の面倒を見なければならないの!」


嫁さんも、子供二人を残して、長期間、海外旅行などいけないのは
分かっているのです。
でも、私だけが、ご気楽トンボのように、一人で温泉巡りをするという
計画が面白くないのでしょう。


話し合いの結果、1ヶ月は、子供の夏休みを利用し、家族で北海道旅行を、
残り2ヶ月は、一人で、気ままに好きな温泉巡りを行う計画で
双方妥協が出来ました。


ところが、この妥協案を子供に投げかけてみたところ、
私が、いかに日頃子供たちから浮き上がった存在であるかを露呈する
ことになってしまいました。


「ぼく、お父さんと1ヶ月も旅行するの嫌や!友達と遊んでいる」


と次男が言い、


「学校の行事があるから、行かれへん!」


とつれない長男の答え。

嫁さんの機嫌も取り、子供たちを拝み倒して、それでも、
何とか四泊五日の北海旅行の了解を取り付けることができました。
3ヶ月の内、四泊五日だけ家族と一緒で、
あとは当初の計画通りの一人旅。
1ヶ月を北海道、1ヶ月は中国四国、残りを九州の温泉を巡るのです。
本来なら嬉しいはずですが、何故か心には隙間風が・・・・。


 そうこうしているうちに、
リフレッシュ休暇まで一週間に迫ったころ、
思わぬ話が飛び込んできたのです。


某テレビ局が、会社を通じて、
「日本の企業戦士の夏休み事情」の企画の中の特異事例として、
この異常ともいえる3ヶ月ものリフレッシュ休暇をとる
私への取材申し込みがあったのです。


一日は、会社での仕事の状況や部下たちの感想。
一日は、家族へのインタビュー。
残り一日は、旅先でのリフレッシュ中の様子を取材するという内容です。
3ヶ月もの休暇がもらえるのです。
この際会社からの打診に意義を申し立てる立場ではないので、
家族の同意なしでOKの返事をしました。


 会社での取材は、休暇中の仕事に引継ぎを中心に
部下たちの意見を聞きだすものです。
まあよくもこれだけ好きなことが言えるものだと思うくらい
言いたい放題です。


 「上司が休んでも、ほとんど影響がありません」


というのが大多数の意見です。
よく言えば、自立した部下たちですが、実態は、いてもいなくても
代わり映えのしない私なのでしょう。

会社を長期に休むにあたり、身の回りの整理をしたり、
顧客への挨拶をしている間も、部下や他の社員は、
何事も無く平常どおりに仕事をこなしています。


これで3ヶ月、順調に仕事の成果が出ていれば、
間違いなく私は用無しだな、と思いながら会社を後にしたのです。



 『会社を 出る時は もう戻れぬと
               気持ちは 既に退職日』


 翌日は、自宅での家族とのインタビューです。
3ヶ月もの長期休暇を家族、特に嫁さんがどう捉えているのかを
取材するのが目的です。

しかし我が家では、取材の目的とは関係なく、嫁さん流の準備が
進められれていました。

当然ながら、これまではテレビは見るもので取材されたことは
一度も無いため、家族の対応はそれぞれまちまちです。


 小六の次男は、テレビはどうして撮るものなのかと興味深々で、
全面協力の姿勢。高一の長男は、照れくさいのか、
自分には関わりがござんせん、とばかりに取材非協力の態度。
で、問題の嫁さんは、というと、これが一番のパフォーマンスを
演じたのです。


実家や友達の家に電話し、


 「ねーねー、聞いて、聞いて。私たちテレビに出るのヨ」


と、取材目的はそっちのけで、完全にミーハーしています。
美容院には行くは、着る服が無いといっては騒ぎ出すは、
もう大変です。


家の中に入って取材するということで、
掃除を言いつけられた子供たちは、


 「お母さんがテレビに出たいんやろ、自分でやったら!」


と、嫁さんの心を見透かしています。


 取材当日、三人のスタッフと共にやってきた女子アナは、
これも家族の思惑とは関係なく、
ちゃんと当初の取材目的を皆から聞き出したのはさすがプロでした。


絶対にカメラの前には出ないと言っていた長男までもが、
彼女の前では、一人の出演者になっていました。


 「お父さんは、休みでも、遊んでくれないし、
  何処にも連れて行ってくれない」



と、正直に応えていた次男。長男に対して、


「寂しくは有りませんか」


との問いに対して、


 「別にどってことありません」


と、これまた日頃の、私の家での立場を表現した答え。


それでも、車で出発するシーンで、どうにか、家族全員が、
手を振ってくれたのには、ほっとしました。



 『浮き浮きと テレビカメラに 笑顔する
              妻の姿は タレント気取り』



 この自宅での、テレビ取材の日が、
リフレッシュ休暇の一日目でしたが、実際の温泉めぐりの旅は、
二日遅れのスタートとなりました。


四十日間の北海道への旅立ちの感傷に浸る暇も無く、
その当日を迎えることになりました。





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