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2007.06.10 (Sun)

【一人旅】 第2章 温泉その一(混浴)

第二章 温泉その一(混浴)
  二の一 夏湯温泉
                      七月二十四日


  『大湯から あがりしときに 湯が動く
                余りの熱さに 隠すの忘れ』
  『混浴も 辛抱大事 長湯する
                大湯の場合 火傷覚悟で』


 さあ、仕事に疲れたお父さん達、
スコアに神経をすり減らしながら、上達しないゴルフに熱中するお父さん達、
接待で荒れた胃に、朝の歯ブラシがこたえるお父さん達、

いよいよ私と一緒に、温泉巡りのスタートです。


 最初に話したと思いますが、三ヶ月のリフレッシュ休暇を、
私は、ひたすら温泉三昧で過ごすつもりにしています。
これまでも、色々と各地の温泉に行っていますが、
サラリーマンの取れる短い休みでは、なかなか行けなかった、
北海道・四国・九州の温泉地を、それぞれ一ヶ月かけて回る予定です。


 「何だ、おれ達が付き合わされるのは、年寄り臭い、温泉の話だけなのか」


 お父さん達、そうがっかりしないで下さい。
お父さん達は、温泉を年寄り臭いと思っているようですが、
少し誤解していますね。


今ほど、温泉が、若者、それもギャルに人気があることを
ご存じないようですね。


お父さん達が抱く温泉のイメージは、
・お年寄りが、身体の調子の悪いところを直しに湯治をするところ
・社員旅行で、馬鹿騒ぎをし、女子社員からひんしゅくをかうところ

くらいにしか思っていないでしょう。


しかし、いくら温泉に興味が無いといっても、
混浴に興味の無いお父さん達は少ないでしょう。



 「おっと、そうか、混浴というものがあったのか」


ほら、すぐに、鼻の下をのばすのだから。

お父さん達の会社では、セクハラの教育が行き届いていないのでは。
私は、お父さん達の期待するような、
セクハラまがいの混浴の話をするのつもりはありません。

昔から、日本に伝わる、よき文化というか風土としての
混浴を紹介するだけですから。


 「ごちゃごちゃ言わずに、その文化でも風土でも良いから、
  はやく話を聞かせてくれ」


どうも何か、誤解があるようですネ。

でもせっかく、お父さん達が、私の話しに関心を持って頂いているので、
誤解を解かないまま、先に話を進めましょう。


 今回、三ヶ月もの“身勝手一人旅”の第一目標は、
これまで一箇所も入浴をしたことの無い北海道の温泉を、
一ヶ月以上をかけて回ることです。
その北海道へは、青森からフェリーで渡るつもりです。

一ヶ月以上の長丁場、身体を慣らす意味もあり、
これまでに何度も訪れ、気に入っている東北の温泉に、
立ち寄っていこうと考えています。


 “温泉なら東北!”と言われるくらい、
東北には、素晴らしい温泉が、数多くあります。
特に、お父さん達の期待する(誤解している?)混浴の温泉も、
まだたくさん残っています。


その中の一つ、夏湯温泉の話から始めましょう。


 「よー、待ってました!」


静かにしてくださいよ、お父さん達の品位が疑われますよ。


岩手県の和賀町にあるこの温泉は、
温泉通にはよく知られた名湯なのですが、
お父さん達には、とんと分からないでしょう。

まずこの温泉は、何と発音するのか知っていますか。
これを正しく発音できれば、
お父さん達も、いっぱしの温泉通と言えるのですが。
それ程、名の通った混浴、いや間違い、名湯なのです。



“ナツユ”としか発音できないお父さん達のために、
この名湯(特に混浴?!)の良さを紹介しましょう。


“夏湯“と書いて”ゲトウ“と発音します。


この温泉の良さは、

■温泉通の人しか知らない秘湯である
■秘湯にふさわしい、自然が残っている
■“夏湯を語らずして温泉を語る無かれ”と言われる程、

素晴らしい温泉があるのです。



私は、ガイドブックの代わりではないので、
詳しいことはそちらを読んでいただくとして、
ここでは、私の主観的な温泉紹介をしたいと思います。


ここ、夏湯温泉の各旅館やホテルには、それぞれお風呂があるのですが、
大部分のお客は、夏湯川に沿って点在する七つの共同浴場にやってきます。
そのほとんどが、混浴露天風呂ですが、
その中でも人気ナンバーワンの“大湯”について紹介したいと思います。


夏湯温泉がある場所そのものが、和賀町の中心部から夏湯川に沿って
車で約30分以上もかかる人里はなれた山間地にあります。
道の終点が夏湯温泉で数件の温泉宿と自然以外は、
本当に何もないところです。



“温泉の質の良さ”という財産に、“何もない”という付加価値がつき、
ここ夏湯温泉は、古くから名湯の誉れが高い湯治場として、
遠くから身体を癒しに多くの湯治客が訪れます。


広場の駐車場に車をとめ、
いかにも湯治宿という感じの数件の旅館が並ぶ路地を歩きます。


多くの湯治客が、開け放たれた旅館の部屋の広縁に座って
のんびりと時間を過ごしています。
そんな湯治客を横目に、気がせく思いで歩いているのは、
私だけかもしれません。


路地を抜け、石の階段を下り、夏湯川の川べりにでます。
水清く水量豊かな川です。


その夏湯川の川べりに簡素なよしずがけをしただけの、
いたって質素な浴舎というか小屋の中に天下の名湯“大湯”があります。


二,三人で一杯になる脱衣場で服を脱ぎ、“小屋”の中に入りました。

あとで詳しく説明しますが、この“大湯”の入浴客のほとんどは、
ちょっとのあいだ、湯に浸かったと思えばすぐ上がり、
浴槽に背を向けて、夏湯川に映える木々の緑を眺めているのです。


またこの“大湯”は、脱衣所こそ男女別々ですが浴槽は一つ、
そうです、お父さん達の期待する混浴なのです。


「混浴といっても、ほとんどがお年寄りばかりだろう。
 先ほど、お客は湯治客と言っていたからな」


お父さん達は、何を混浴に期待しているかは、分かっているつもりです。


私がこれまでに何度となくこの温泉を訪れ、
大好きな温泉の一つと言っているのです。
お父さん達の期待を裏切るはずがないでしょう!


“夏湯を語らずして温泉を語るなかれ”と評価の絶大なる温泉で、
しかも、旅館やホテルに内湯があっても
客のほとんどが入りにくるという“大湯”です。 
“大湯”に入らなければ、夏湯温泉に来た意味がないのです。


ほとんどの客が入るということは、
ギャルをはじめとする妙齢の女性も“大湯”に入るはずだ、
ということは、数学の確立論からも、証明されるのです。


「俺達にとって、数学はどうでもいいのだ、
 “大湯”が期待通りの混浴であれば」


その通りですね。
ただ、今回訪れて残念だったのは、
ここにも観光地の温泉と同じような無粋なルールが出来ており、
女性専用の入浴時間帯が設けられたということです。


お父さん達は、いくら「混浴」に期待するといっても、
女性専用の時間帯に入浴するといった、
社会マナーに反するような人達ではないでしょう。


しかし善良なお父さん達、御安心ください。
私の過去の経験から、お父さんたちが期待するようなシーンに
遭遇する入浴時間帯をお教えしましょう。


 「お前のことが気に入った。俺達の気持ちを
  ちゃんと汲んでくれるのだからな」


そんなにおだてなくても結構ですよ。
期待のゴールデンアワー(お父さん達にとっては、
正に光り輝く時間でしょう)は、次のいずれかの時間帯です。

■早朝の朝5時から6時の間
■夜の7時から8時の間
■深夜の11時以降

これらの時間帯をはずすと、“大湯”には、お父さん達が心配する年代の
“混浴常連”の女性達が入浴していることになります。


なお、先に述べた時間帯は、“大湯”に限らず、
多くの混浴の温泉では一般的に当てはまる時間帯ですので、
お父さん達の頭に記憶しておいてください。


ところで上記の時間帯がどうしてかよいのかお父さん達分かりますか?

それは、これらの時間帯が、元気の良いお父さん達の多くが、
最も温泉に入りにくい時間帯とほぼ一致するするのです。


早朝の5時から6時なんて、お父さん達は目が覚めるわけもないですよね。
また、夜の7時から8時は、夕食や宴会の真っ最中で、
温泉どころではないでしょう。
まして夜の11時以降は、飲んだお酒が身体に浸透して、
高いびきのはずですよね。



 そうです、お父さん達が、いつも会社で実践している、
相手の立場になって物事を考え行動することが、
成果に結びつくことは十分経験済みでしょう。


女性達もお父さん達の行動パターンをよく理解した上で
この“大湯”にやってくるのです。


そこでお父さん達も先の先を読んで、
運よく「成果」にめぐり合えた場合でも、
「成果」にニヤニヤすることなく、
自然に振舞っていただきたいと思います。


会社でも自分の「成果」を強調すると
他の人から嫌われれることはよく御存知のはず。


その上、お父さんたちと違って、私のような、紳士風の人間となら、
混浴も、日本の良き文化、風土として多くの女性に受け入れられるのです。

■相手の立場を考え
■自然に
■そして紳士風に

が、混浴三大ルールですよ。



 「何が紳士だ、お前が混浴を紹介するといって
  俺達を焚きつけているくせに」


そんなことを言っているから、
女性時間帯といった、これまでの良き日本文化が崩れていくのですよ。


それに何も私は紳士とは言っていません。
紳士風と言っているだけです。
しかし、この“風”が付くか付かないかが大切なのです。


基本的には、私もお父さん達と同じ「成果」を期待するものですが、
お父さん達は「成果」から見放されるのに対し、
私のほうは、「成果」が向こうからやってくるこの差は大きいすよ。



何事にも相手の立場を考えて自然にかつ紳士風に行動すれば、
相手もおのずと胸襟を開いてくれるのです。



ただしこの“大湯”での注意事項を話しておかないと、
いくらお父さん達が、混浴三大ルールに従って行動しようとしても
「成果」につながることが無理な場合が有ります。


すなわち、お父さん達が「成果」を得るために、
“大湯”で紳士風に長湯をされると大変なことになるのです。


というのも、この“大湯”は、猛烈に熱いのです!


お湯に紳士風に浸かり、相手の立場を考え、
この場所よりこちらにいたほうがお湯に入りやすいか・・・
などと考えている余裕はほとんどないのです。


そのため、ほとんどの人は、
ちょっと湯に浸かっては、直ぐ洗い場に上がってしまうのです。


しかし脱衣所の入り口ばかり眺めている分けにはいかないので、
仕方なく、もう一つの自然の造形美である夏湯川の景色を
ぼーっと鑑賞することになるわけです。


それほど熱いお湯なので、入るときも歯を食い縛って(従って、
入れ歯のの人は、はずして入浴をお勧めします!?)身を沈め、
上がるときは、もうなりふり構わずに、洗い場に駆け上がるのです。



 『大湯から あがりしときに 湯が動く
               余りの熱さに 隠すの忘れ』
  
 『混浴も 辛抱大事 長湯する
               大湯の場合 火傷覚悟で』



 ちなみに夏湯温泉は、山深い秘湯ですので、
入れ歯や火傷の治療をやってくれる病院は有りませんので念のために。



★データ
(走行距離)六百二十キロ
(入湯温泉)夏湯温泉



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