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2007.07.28 (Sat)

【一人旅】 二の六   幌加温泉・管野温泉


二の六 幌加温泉・管野温泉           八月十六日



 『さあどうぞ 見られて減りは しませんと
                旦那の声に 割り込む露天』
 『気を遣い 後ろを向いて 景色見る
                いつのまにやら 見るもの見たり』
 『湯の華で 昔の華が 放屁する
                余りの音に なすすべもなし』



オバタリアン軍団の出現や外人男性の裸を見せられ、
このまま私の話し相手を続けていってよいものか、
悩んでいるお父さん達、今回は大丈夫そうではありませんか。

私だってお父さん達の期待するものが何かは
十分わかっているつもりなのですよ。
でも、研究というものは、多くの障害を乗り越えて努力してこそ、
初めて成果につながるものなのです。


今回は、その努力が、ようやく報われる時がやってきたのです。


 「お前の努力は認めるが、こう毎回期待を裏切られていては、
  お前の話し相手は、もうおしまいにしようと思っていたところだ」


私も、お父さん達に悪いと思えばこそ、今回の話を紹介するのです。


今回の話は、幌加温泉での出来事です。
この話を聞けば、お父さん達も北海道に旅行した時は、
絶対にこの温泉に寄り道したくなること請負です。
そのために、まずは幌加温泉の場所をお教えしなければなりませんね。

幌加温泉は、道東の観光地、層雲峡から
国道二七三号線を南東方向の糖平湖に向かう途中にある、
鄙びた一軒宿の温泉です。
国道からすこし脇道に入らねばなりません。
目印は、注意していないと、
見落としてしまいそうな小さな案内看板しかありません。

実は、私も見過ごしてしまい、
バックしてようやく目的地にたどり着いたくらいです。


そこには、「幌加温泉」と書いた看板が無ければ、
小学校の分校か民家と思えるような簡素な建物が建っていました。

私のような、温泉に入った数を増やしたい人間か、
地元の人しか訪れることのなさそうな温泉宿です。
しかし、さすが観光地、北海道です。
なんと大阪ナンバーのキャンピングカーが、
駐車場に止っているるではありませんか。


私は、京都から横浜のほうに転勤してきたものなので、
自然と関西ナンバーに親しみを感じるのです。

よし、温泉に入りながら、大阪と京都のよしみ、
久しぶりに世間話ができるかなと思いながら、
露天風呂への案内矢印に従って建物の脇を歩いていきました。


本当に民家の裏庭と言ったほうがふさわしいような、
雑草の生い茂る路地を通って露天風呂のあるところに出たのです。


その瞬間、

 「すごーい!これはいい!」

思わず、感嘆の声が口元から飛び出たほどの
露天風呂が目に飛び込んできたのです。


二三人も入れば一杯になりそうな素朴で小さな露天風呂です。
そのそばを綺麗な小川が流れています。

視線の先には、堰から流れ落ちる水のカーテンが
夏の暑さを和らげています。

本当に、民家の裏庭にある、
“おらが家の露天風呂”といった雰囲気の
野趣あふれる露天風呂なのです。


さらに、この露天風呂の評価を高くしたのは、
お父さん達の待ち望んでいた、
二十代半ばの女性が入浴していたことです。


 「どうやら、興奮しているお前の話しぶりからして、
今度こそは期待できそうだな」


まだ浮かれてはだめですよ、お父さん達。
世の中、そう甘くはありませんよ。

実は、この露天風呂には、その女性一人ではなく、
その女性を母親とする子供を含む家族連れがいたのです。


以前に述べた、仮設の通りでしょう。
若い女性が混浴露天風呂に居るときには、
子供連れか彼近くに彼氏か旦那がいると。

実は、温泉に浸かっているのが、若い母親だと気がついたのは、
私が露天風呂の脇の小枝に、
脱いだ服をかけようとした時だったのです。


二三人も入れば一杯の小さな露天風呂に浸かる女性。
洗い場には、その女性の旦那と子供がいます。

野趣あふれる露天風呂には、当然脱衣所といったものは有りません。
正に、家族水入らずでのんびり露天風呂を楽しんでいたのです。


さあ、お父さん達だったら、このような場合、
どんな行動をとりますか?

 「やはり、お前の話は、素直に俺達を喜ばせてくれないのだな」

そうなのです。済みません!


でも今回は、オバタリアンではなく、
間違いなく二十代半ばの女性なのですよ。
お父さん達も、課題はあるにせよ、待ち望んでいた状況でしょう。
さあ、お父さん達、どうしますか?

 「それより、お前こそ、そんな家族水入らずのところに、
よく、のこのこと入っていけたものだな」

弁解になるのですが、私が、無神経に露天風呂に近づけたのは、
男性が洗い場で子供の背中を洗っており、
入浴中の一人は、後ろ向きで、
しかも、ショートカットの髪型だったために、
女性とは気づかなかったためなのです。

つまり、露天風呂に近づいたときは、
彼らが家族連れとは思わなかったのです。


そうでしょう、まだ二十代半ばの女性が、
いくら家族連れで旦那がいても、
こんな脱衣所すらないような露天風呂に
浸かっているとは思わないのが普通でしょう。


そんな分けで、彼らが家族連れで、
しかも入浴中の人間が、二十代半ばの女性と気づいたのは、
私が服を脱ぎかけたときなのです。

 「俺達ならば、失礼しました、と言って、その場を去り、
彼らが露天風呂からでるのを待つな」

まあ、よくもそんな聖人君子のような
白々しい答えを言えたものですね。


こんな状況は、めったにないことは、百も承知のお父さん達です。
絶対お父さん達なら、そのまま、服を脱ぎ、
脱兎のごとく露天風呂に浸かりますよね。

そして十八番の“チラチラ見”ではなく“ジーッと見”で
その二十代半ばの女性を直視するに違いないでしょう。

しかし、私はお父さん達と違い、著名な学者です。
当然ながら、

「失礼しました」

と言って、小枝の服を取り、その場を立ち去ろうとしました。


その女性も、こんな鄙びた露天風呂に、
自分達家族以外に客が来るわけがないと思って、
安心して露天風呂に入っていたのでしょう。

近づく人の気配を感じても、脱衣所は有りません。
急で服を着る余裕がなく、
後ろ向きになるのが精一杯だったのかもしれません。


実は、ここで粋な旦那の登場なのです。

大阪人旦那の包容力なのか、
奥さんの従順さなのかは分かりませんが、その旦那の一言です。

 「いいですよ、別に見られて減るものでは有りませんから」

どうですか、この旦那の豊かな人間味は!

お父さん達の、奥さんが入っているのではないですよ。
二十代半ば奥さんを持つ旦那ですよ。


この包容力には、頭が下がりました。
私も、旦那の言葉に甘えてよいものか悩みましたね。


■良心「いくら旦那がいいと言っても、奥さんの身になってみろ。
    この場はあきらめろ」

■悪魔「旦那がいいと言っているのだ、遠慮することはない。
    北海道に来てからも、こんな機会は、
    めったになかったはずだ」


本当に、人間は、誘惑には弱いものです。
結局は、著名な学者も、悪魔のささやきには勝てませんでした。

 「何を格好つけているのだ。お前の女性好きは、
  もう皆にばれているのだから」

きついですね。

それでも、一応は、紳士然として、
今度は、私が後ろ向きになって、露天風呂に浸かることにしました。


普通、特に若い女性なら、
私が後ろを向いている間に露天風呂を上がり、
服を着てその場を立ち去りそうなものですよね。

しかし、その若い奥さんは、余程旦那に従順なのか、
なかなか露天風呂を立ち去ろうとはしません。


本来ならば、私としては、野趣あふれる露天風呂に浸かり、
清い小川の流れに人生を重ね、
これからの生き様を考えるところですが、
後ろの女性が気になって、それどころではありません。

 「何を気取っているのだ。
  お前の生き様なんかは同でもいいのだ、早く話を進めろ」


そのうちその女性は、洗い場で、
自分の身体や髪の毛でも洗い出したのです。

 「おい!ちょっと待て。後ろ向きのお前が、
  何でその女性の様子が分かるのだ」

そういえば、少しおかしいかもしれませんね。

心眼ですよ、心眼で見ているのですよ。

 「馬鹿なこと言うな。
  俺達には、混浴では、“チラチラ見”はやるなと、
  偉そうなことを言っているくせに」

いいえ、私としては、後ろが気になっていたことは事実ですが、
いくら悪魔の誘惑に負けたといっても、やはり良心が有りますよ。
全神経は、後ろの女性の気配に集中はしていますが
“チラチラ見”はしていませんよ。


そんな私の葛藤を、混浴の神様(日本には八百万の神様がいるのだから、
混浴の神様がいてもおかしくないでしょう)が哀れと思し召したのでしょう。
身体を洗い終え、小川で水遊びをしていた子供が、
突然、露天風呂に飛び込んできたのです。


ドボンと音がした瞬間、動物の反射神経が私を、
後ろに振り向かせたのです。

繰り返しますが、動物的な反射神経であって、
私の、人間としての意志で振り向いたのではありは有りませんから。

その時なのです、
二十代後半の女性が、横を向きながら、
洗い場に立膝で髪の毛を洗っている姿が目に入ったのです。


しつこいようですが、私は、見ようとしてみたのでは有りません。
反射神経が子供の姿を捉えずにその女性を捉えただけですから。


それにしても、日本人でよかった!
日本女性の、しかも若い女性が、
髪を洗っている姿を美しいと感じとれるのは。


大阪の粋な旦那に感謝、感謝!


 『さあどうぞ 見られて減りは しませんと
                旦那の声に 割り込む露天』

 『気を遣い 後ろを向いて 景色見る
                いつのまにやら 見るもの見たり』




このような、“得がたい機会”に恵まれながら、
北海道温泉一人旅をしている私ですが、
今回は、もうひとつ管野温泉での出来事を紹介します。


管野温泉は、国道274号線帯広の北、然別湖の近くにあり、
宿のそばにキャンプ場もあって、
北海道を訪れるライダー達の間では有名な温泉です。

管野温泉旅館内の温泉もいいのですが、
やはり何と言ってもキャンプ場に隣接する
鹿の湯という露天風呂が最高です。

幌加温泉の露天風呂より一回り大きいのですが、
ここの露天風呂も、手を出せば届くところに、清流が流れ、
大自然を思う存分満喫できる絶好のポジションにあります。


大自然の中の露天風呂なので、当然混浴です。
しかし、脱衣所に備え付けられていた、
入浴者ノートをパラパラめくって見たのですが、
ギャルと思しき女性が入浴した記録は、ほとんどありませんでした。


これも近くにキャンプ場があり、
いつお酒に酔った、不届き者がやってくるか分からない所では、
どんなに素晴らしい露天風呂でも、
ギャルと名の付く女性は、入浴しにくいのでしょう。


私が、今回、この管野温泉を訪れたいと思ったのは、
“鹿の湯”の他に、旅館内にある、
温泉ファンの中では名の通った人が名づけた、“湯の華温泉”という、
とど松で出来た板風呂に入りたかったためです。


期待してきた、“湯の華温泉”には、
女性の先客が一人入浴していました。

そうです、ここも鹿の湯同様混浴露天風呂ですが、
幌加温泉のような幸運は、そう何回もある分けがありません。

十分お年を召した女性が、
私が入ってきたことなどまるで気にすることなく、
ただひたすら身体のためを思って
効能あらたかな温泉に浸かっています。

しばらくして、その女性がやおら立ち上がり、
お湯から出て行くために、
私のそばの浴槽のとど松の木枠に足をかけた時に、
それが起きたのです。
いや起きたというより、“発生”したといったほうが、
この場合は正しいと思います。


 『湯の華で 昔の華が 放屁する
            余りの音に なすすべもなし』


★データ
(走行距離)二百七十三キロ
(入浴温泉)管野温泉・オソウシ温泉・トムラウシ温泉・新得温泉・
       芽室温泉


 
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