2017年09月 / 08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:--  |  スポンサー広告  |  Top↑

2007.10.11 (Thu)

【私は、つくね】 第十八話 私は、すっぴんは厭だと言ったのに

第十八話 【私は、すっぴんは厭だと言ったのに】



庭で




おとんは、最近はほとんど外で飲むことは少なくなったが、
昔は、お客さんや会社の人達とよく飲みに出歩いたようだ。

以下は、そんな頃の行きつけの飲み屋での話だ。


「俺は、娘と今でも一緒に風呂に入っているよ」
「へー娘さんは、お幾つなんですか」
「俺の娘だからいい年だよ」
「よく娘さんは、お父さんと一緒に入るのを嫌がりませんね」
「そりゃ大事にしているからな。それに風呂に一緒に入るどころか、
毎晩一緒の布団で寝ているよ」
「嘘でしょう!本当は幾つなんですか」
「俺の娘だから、本当にいい年だって」
「奥さんは、何もおっしゃらないのですか」
「嫁さんは、娘の好きなようにさせているよ。
娘と風呂に入ったり、一緒に寝るのはいいが、
彼女は、少し毛深いんだよな、尻尾もあるし」
「やーだ!ペットですか」

と、私のことをお酒のつまみにしていたようだ。


そう、私は、おとんの言うとおり、
前に住んでいた家では、よくおとんと一緒にお風呂に入った。

寒がりの私にとっては、これから寒くなる季節、
おとんと入るお風呂は楽しみの一つだった。

おとんは、温泉巡りを趣味にしていて、
これまでに全国1300箇所以上の温泉に入っている。
それだけ風呂好きなので家でも
夏場以外は基本的には毎日お風呂に入るの。

週末になると、風呂場の中に本を持ち込んで
1時間以上もお湯に浸かっていることもざらだ。

そんな風呂好きのおとんがと一緒にいるせいか私は、
自然とお風呂に馴染んだのかもしれない。

それ以前に、私は家族と一緒に家の中で生活しているため
身体は、奇麗にしていることが絶対条件なのだ。

散歩など外出した際は、汚れたところは
その都度綺麗にしてもらっているが、
それ以外に、定期的にお風呂でシャンプーが必要になる。
まして、飲み屋の人がおとんのことを変態扱いにしそうだった、
おとんの布団で一緒に寝るためにも、
身体はいつも奇麗でなければならない。

最初の頃は、おとんがお風呂に入ったとき、
シャワーを使って身体を洗っていただけだったが、
そこは生活の知恵に富むおかんが、

「おとうさん、つくねを湯船にいれて首まで浸からせてよ。
 身体に着いているかも知れないダニや虫が窒息死するから」

ということで、シャンプーのあと私は、
おとんと一緒に湯船にドボンということになった。

私に取っては、このドボンする瞬間は、
何度経験しても慣れることはない。
それでも、おとんが私を膝の上にしっかり抱き
首までお湯に浸かってしまえば、
その後はもう極楽気分だ。

おとんは、どちらかといえば温いお湯にゆっくり浸かるほうなので、
お湯の温度は私にとってもちょうど良い温度になる。

暖かいお湯が、体毛を通り越して肌を刺激し、
気持ちのよいことこの上も無い。
さすがおとんのように1時間も2時間も
お湯に使っていることは無理だけど、
私も10分ほど浸かっているのは何の苦もない。
それどころか、余りの気持ちよさに、
ついつい目を閉じてうとうとしてしまう。

そんな、私の表情が可愛いのか、

「おい、つくねは風呂好きだよ。
湯船の中でコックリ船をこいているのだから」

と、おとんは目を細めておかんに報告している。

そんなおとんと私の関係なので、

「俺は、娘と今でも一緒に風呂に入っているよ」

という、おとんの表現は、決して間違いではないのだ。

私も、決しておとんと一緒にお風呂に入るのは嫌いではない。
ただ、このドボンする時ともう一つのことが無ければ、
もっとお風呂が好きになるのだが。

そのもうひとつのこととは、おとんに顔を洗われることだ。
身体をシャンプーで洗ってもらっているときには、
別段どうってことは無いのだが、顔を洗われる時には閉口する。


私がヘルニアになったのは、
おとんやおかんが私をドックカートに乗せ
長時間舗装されていない緑道を散歩したことが、
引き金なったことは話した。

おとんやおかんにしてみれば自分たちの無知のせいで
私に悪いことをしたと悔やんでいる。
幸い、その後のケアーのおかげで、
最近はほとんど症状が現れずホッとしている。
あのまま、症状が改善しなかったり悪化したりしたら
人災と思っているおとんやおかんはずーっと後悔し続けただろう。

もうひとつ、おとんとおかんの無知で私が被った被害がある。
ただ、これは、二人の無知のせいもあるが、
かなりの部分で私にも原因がある。
その被害とは、私の歯抜けと歯石のことだ。


二人が結婚する前にそれぞれの家庭で飼っていた犬の食事は、
人間の食べるものをやっていたらしい。
そのため、調味料等の味の付いていないおかずを
私の求めに応じて与えることに何の抵抗もなかった。

ただひとり、ちー兄ちゃんだけが、
執拗に、人間の食事を与えることに反対していた。

歯ブラシの躾がされなかった私には、
おとんから貰って食べる食事のため
ちー兄ちゃんの心配していたとおり、
7歳にして、歯が抜け歯石がたまったおばんになってしまった。

そのためかどうかは分からないが、
私は、時々口の周りがかゆくなることがあり、
テーブルの足や柱のかどに口をこすりつけ
かゆみを止めているところを皆に見られている。

そんな私の様子をみてか、
おとんは私と一緒にお風呂に入った時に、
頭と口の周りをシャンプーで奇麗に洗おうとする。


「つくね、かゆい所はないか」

おとんも床屋に行って頭を洗ってもらうときは
同じことを言われているらしいが、
不思議なもので、他人に頭を洗ってもらうのは
なかなか気持ちがいいものだ。

私も、日頃自分の足では痒くてもなかなか掻き切れない
頭のてっぺんなんかを爪をたててごしごしやられると
うっとりするくらい気持ちが良い。

しかし、気持のよいのもここまでだ。
シャンプーの付いたおとんの手が、
急に私の口や鼻の周りに伸びてくる。

「ちょっと、ちょっと待ってよ、おとん。痛いよ、痛いってば」

私は、必死におとんのシャンプー攻撃から逃れようとするが、
おとんは、私を両膝にはさみつけなおもシャンプー洗いを続ける。

「もうかゆい所はないだろう、奇麗になったからね」

こうして、最後にお湯で流し終えてしまうまで
私は、おとんに拘束されてしまう。

いくら汚れが落ちて奇麗になるからと言って、
この拘束時間を伴う顔洗いが私には耐えられないのだ。
これさえなければ、本当にお風呂は極楽そのものなのだけど。

こうして、私は定期的におとんと一緒にお風呂に入るが
なぜか、おかんとは一度も入ったことは無い。

おとんは、お風呂が好きで、週末は夕方早くから入るが
おかんの場合は、家の後片付けをして
寝る前にようやくお風呂に入るのがほとんどだ。

そのため、おとんと一緒に風呂に入る場合は、
私が風呂から上がったあとの身体を乾かす時間にも余裕があるが
おかんと風呂に入る場合は、それがきついし
寒い時には二人とも風邪を引きかねない。

それが、おかんと一緒に風呂に入らない理由の一つだが
もう一つ、理由がある。

それは、私の抜け毛だ。
私は、犬にしてみれば珍しいほど抜け毛が少ない。
そのため、家の中で家族と一緒にいても、
抜け毛が部屋に落ちて、嫌な思いをさせることが無い。

しかし、さすがにお風呂にはいり湯船に浸かったときは、
たくさんの抜け毛が湯船に浮くことになる。
おとんは、まったく抵抗ないがおかんは駄目らしい。

こうした二つの理由で、私をお風呂に入れる役目は、
もっぱらおとんとなる。

それが、おとんには嬉しいのか、
冒頭の、飲み屋の人への軽口となるわけだ。


他のお父さん達がうらやむ父娘でのお風呂タイムが
今度、新しく建てた家ではなくなってしまった。
というのも、庭に水とお湯の両方が出る蛇口を設けたためだ。

これから年を取っていく私が、外に出て家に戻った時に
いつでも暖かいお湯が出て
汚れたところが洗えるようにとの心遣いだ。

たしかに、前の家のように、外から帰ってきたときに、
風呂場まで私を抱えて汚れたところを洗っていたのに比べれば
おとんやおかんにとってはずいぶん便利になった。

更に、このお湯も出る蛇口を設けた際に身体全体が洗えるよう、
大き目のガーデンパン(水受け)を取り付けたのだ。

それ以来、極端におとんと一緒にお風呂に入る機会が減り、
もっぱらおかんが私の身体を洗うことになった。

お風呂1

おかんにしてみれば、湯船の中に私の抜け毛が
たまることを気にしなくても済むし、
おとんが会社にいて家にいないときでも
好きなときに私の身体を洗えるようになり
時間の制約がなくなった分重宝しているようだ。



でも私は、あのドボンの後におとんと一緒に首までお湯につかり、
気持ち良くなりうつらうつらした、
至福の時が無くなったのは残念でたまらない。

反面、おかんが私の身体を洗ってくれるようになってからは
おとんのような強引な顔の洗い方がなくなった。

お風呂2

さすが、おかんは女性である。
いつも化粧を落とすなど、
洗顔には気を使っているのか
じつに優しく丁寧に私の顔を洗ってくれる。



お風呂3



おとんとの至福の時はなくなった代わりに、
あの顔洗いのおとんの拘束も無くなりホッとしている。




女性は、洗顔をした後のすっぴんは
人には見られたくないものだが
私も女性、その気持は同様だ。

しかも皆からは美人と言われている私なのでなおさらのことだ。

おかんがいかに優しく奇麗に顔を洗ってくれたとしても
顔を洗った後はどうしても一時期、すっぴんの私になる。

お風呂4



おとんは、そんな女性の気持ちを無視して
私の顔を洗っている時の写真を撮りまくっている。




いくらおとんが好きな私でも、こんなおとんの無神経さは
さすがに嫌になる。
私が、おとんに写真を撮らせたくなったのも
私のすっぴんの顔を、面白おかしそうに
撮ったためで、おとん自身がまいた種だ。

おとんが撮った写真は、ぬれねずみの写真で
絶対、私ではありませんから・・・
ちくしょう、何でこんな時の私を取る必要があるの。
もう、おとんは嫌いだーー!

お風呂5










               (”【私は、つくね】目次へ





スポンサーサイト

テーマ : ダックスフント大好き♪ ジャンル : ペット

EDIT  |  15:46  |  私は、つくね  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

*Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。