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2007.10.17 (Wed)

【一人旅】 五の一 石田温泉・水無海浜温泉

第五章 温泉その二(露天風呂) 

  五の一 石田温泉・水無海浜温泉   七月二十七日・二十八日



  『湯上りは 短パン一つ 楽でよい
                   ラジエーターも 自然空冷』

  『ここだけは 水着が欲しい 海辺の湯
                  我一人だけ 手ぬぐい巻いて』



今日の話は、少し過去にさかのぼりますが、憧れの北海道に
第一歩を踏み出したときの話をしていきたいと思います。


酢ヶ湯温泉では、丸二日間雨にたたられ、
しょげ返っていた私だったのですが、
フェリーが函館に着く頃には雨も上がり、
次第に気持ちがハイになって行きました。

そして、フェリーから降りた車のタイヤが
始めて北海道の大地を捕らえた瞬間は、
さすがに私もジーンと胸に来るものがありました。


早速“身勝手一人旅”のルールに従い家に第一報です。

 「もしもし、お父さん。今函館に着いたよ!」

何回か電話の番号を押し間違えて、
ようやくつながった電話なのに、
電話口に出た息子からは、

 「ふーん、分かった。お母さんに伝えておく」

の一言です。
たったそれだけなのですよ、どう思いますかお父さん達。

 「よかったね、気を付けてたくさん楽しんできて」

とか、色々返事のしようがあるのに、

 「ふーん、分かった」

では、後が続きませんよね。
しょうがないので、

 「じゃあ」

で、終わりです。
家族へ、北海道に着いた喜びを知らせようと思ったのに。

私が、日頃いかに“身勝手”をしているかということが
もう痛切に感じましたね。

北海道の感激の第一歩と言っても、
それは“身勝手”な父親の感激であって、
横浜に残った家族には、関係のないことだったのです。

せっかくのルンルン気分が、一度に飛んでいってしまいました。

 「“身勝手一人旅”をすることになったのは、
  おれだけのせいではないはずだ。
  せっかくの夏休み、今回は家族で1ヶ月ほど
  北海道を回ろうと考えたのにお前の学校の登校日の都合で、
  それが出来なかったんだ。分かっているのか」

と、ぶつぶつ言いながら、何とか気を取り戻し、
函館の温泉巡りを始めました。


北海道での最初の温泉は谷地頭温泉です。
この温泉は、函館山の東麓にある巨大な市営の共同浴場なのです。
高い天井と広々とした洗い場、中央に楕円形の大きな浴槽があり、
薄茶色の温泉が惜しげもなく溢れ出しています。

早速北海道での記念すべき最初の温泉につかり、
思いっきり手足を伸ばしてフェリーの疲れを癒します。

都会では、ほとんどの人がマンションの小さなポリの浴槽に
膝を抱えて入るしかないのに、
このいかにも身体に効きそうな温泉が、
市民の共同浴場として誰でも利用できるのですから、
なんともうらやましい限りです。


その後、蓬莱温泉・湯川温泉と温泉のはしごをして、
函館の東、恵山岬にある石田温泉に向かいました。

ガイドブックの紹介記事を読む限りでは、
温泉ファンならば見逃せない温泉なのです。

国道二百七八号線を日の浜という所で町道に入り、
右手にキラキラ輝く波を見ながら石田温泉を探し車を走らせます。
途中いたるところで昆布干しに汗を流す人達の中を
会社から3ヶ月ものリフレッシュ休暇をもらって
温泉を探し回っている自分になんとなく後ろめたさを感じるのです。


ようやく温泉の所在地を示す標識を見つけたのですが、
なぜか標識の矢印は、道路と直角の大海原の方を指しているのです。
車の中から、何度も矢印の先を眺めてみても、
見えるのは、防波堤とテトラポットに打ち寄せる白い波だけなのです。

さてお父さん達、石田温泉はいずこに。

 「何を気取っているのだ。
  標識が海のほうを指しているなら、
  海辺に露天風呂でもあるのだろう」

私もそう思い、車を降りて周囲を確かめてみたのですが、
露天風呂などそれらしきものは全くありません。

 「それなら、よくテレビなどでやっている、
  潮が引いたときだけ現れる海中温泉だろう」

それはないと思いますよ。
というのも、防波堤の直ぐ側まで
テトラポットが積み上げてあるようなところですから。

標識があるのに温泉が見つからないのは癪に触ります。
一般の旅行客だったらあきらめるかもしれませんが、
私の場合は、北海道の温泉巡りに来ているのです。

温泉を探し入浴するのが目的なのです。
本州の温泉なら、またいつかこれるかもしれませんが、
北海道となるとそう度々来る分けにはいきません。

ここは、しつこく探すのみです。
こんなとき、場所を尋ねる人と出会わない北海道は、
実に困りものです。

少し前方に一台のバイクが止めてあるのが目に入りました。
近づいてみると、防波堤との間に階段があるのです。
もしやと思い、降りて行ってみると、ありましたね。
防波堤を天井とする半露天風呂が!


真夏の太陽が、サンサンと差し込む綺麗なタイル張りの湯舟に
若者が一人、気持ちよさそうに湯に浸かっているではありませんか。

その若者を包むように無色透明なお湯が、
太陽の光を跳ね返しキラキラと輝いています。
これがなんと無料の共同浴場なのです。

このような、穴場の温泉に入浴できるときが、
温泉ファンにとっては一番の喜びです。

私も急いで湯舟に浸かります。
気持ちがいーいいの一言です。
ただ、目の前の防波堤が邪魔をして
せっかくの真夏の海原が見えません。
しかし、火照った身体を冷ますために洗い場に腰を下ろすと、
目の高さにキラキラ輝く紺碧の海が視野一杯に飛び込んできます。

先客の登別出身の若者も温泉好きで、
何度かこの石田温泉に来ているとのことですが、
このように綺麗になったのは、防波堤の工事をした際に、
一緒に改装したからだそうです。

さすが、観光立国の北海道ですね。
共同浴場の改装までやってくれるのですから。

私が、三ヶ月ものリフレッシュ休暇で
温泉巡りをしていると話したところ、
信じられないというような顔をしたのが印象的でした。


突然ですが、お父さん達、西郷隆盛の“ラジエーター”が
異常に大きかったという話を知っていますか。

 「せっかくお前の言う、紺碧の海と光り輝く温泉を
  イメージしていたところなのに、
  どうして、ここで西郷隆盛のラジエーターの話になるのだ」

すみません。
でもあれは、本当にラジエーターの役割を果たしますよね。
寒い時は縮こまり、暑いときはデレーッと大きく垂れ下がるでしょう。

突然変な話をしたのも、私の温泉巡りには、
このラジエーターのオーバーヒート対策が
重要になってくることを話したかったわけです。

 「何で、この石田温泉からラジエーターの話になるのだ」

済みません、順に話をしますのでお待ち下ださい。

夏の暑い時に、一日に何ヶ所もの温泉に入る
私のような温泉巡りをしているものにとって、
あそこが常時にオーバーヒート気味なのは
お父さん達にも分かっていただけるでしょう。

以前、那須塩原温泉郷で
一日に最高十六ヶ所の温泉に入浴した記録が有ります。
こうなると、もうオーバーヒート気味というより、
エンストしてもおかしくない状態なのですが、
まだ若かったせいもあり、なんとか温泉巡りを続けられました。

しかし最近は年も取り、夏の暑い時の温泉巡りでは、
無理が利かなくなってきています。
そこで、常時オーバーヒート気味のラジエーターを、
本田宗一郎のこだわった空冷冷却方で、
冷やす工夫をするようになったのです。

 「おい、ちょっと待て!
  まさか変なことを考えているのではないだろうな」

お父さん達、心配しないでください。
気品に満ち溢れた私が、軽犯罪法を犯すわけがないでしょう。

その工夫とは、本田宗一郎さんの偉業を全面的に取り入れ、
今回の北海道旅行中は、ずーっと短パンで通すことにしたのです。

短パンでの空冷効果を高めるため、
パンツは当然ブリーフタイプではなく、
トランクスタイプのものを使用していることは言うまでもありません。

石田温泉の露天風呂に浸かっていた若者が湯舟から上がって、
脱衣所でかっこいいブリーフタイプのパンツを付けたのを目にして、
急に思いついたのです。

何をって。
西郷隆盛のラジエーターですよ。


あーしんどかった。
石田温泉からようやく、西郷隆盛のラジエーター経由、
私の短パンルックにたどり着きましたね。


 『湯上りは 短パン一つ 楽でよい
                 ラジエーターも 自然空冷』


石田温泉で少し長湯をしたので、
北海道最初の宿泊場所に選んだ
恵山岬の水無海浜温泉のキャンプ場についたのは、
夜の八時過ぎでした。

北海道最初の記念すべき夜くらいは旅館に泊まりたかったのですが、
色々電話で宿に問い合わせをしてみたのですが、
どこも一杯だったのです。

始めに泊まる宿を決めずに温泉巡りをし、
気に入った温泉宿が有れば、
そこに泊まるというこれまでの習慣を踏襲したのが
裏目に出たようでした。

時々思うのですが、電話で宿に宿泊か可能か問い合わせをした際、

「何人ですか」

との問いに、

「一人です」

と答えた場合、直ぐに満室ですという返事は、
本当に一杯なのか疑ってしまいます。

以前にも言ったかもしれませんが、
旅館にしてみれば、部屋を一人で泊まる客に提供するより
複数人で泊まる客に提供したほうが儲かるに決まっています。
そのため一人客を断るのは、あながち文句も言えないかもしれません。

一人旅で宿に泊まることが出来ず、記念すべき最初の宿泊場所は、
温泉が入れる水無海浜温泉のキャンプ場になったのです。

旅館が取れなかった分、このキャンプ場に来る途中のスーパで、
鰻の蒲焼と刺身の盛り合わせに惣菜、
それにロング缶のビールを3本という、
北海道での第一夜にふさわしい
“豪華”な夕食の食材を買ってきていたのです。

しかし、一人での夕食、いくら“豪華”な食材でも、
周囲の雰囲気が“豪華”を“惨め”にさせてしまいました。

アウトドアライフを楽しむ家族連れやグループが、
皆な楽しそうに食事をしたり、ゲームなどに興じているのです。
私だけです、一人で食事をしているのは。

私が用意した“豪華”な食事も
ビールでお腹に流し込むようにして食べるだけでした。

せっかく記念すべき北海道第一夜なのだから楽しもうと思うのですが、
誰も共に祝ってくれる人もいないキャンプ場では、
もう酔って自分の気持ちをだますしかありません。

ビール3本をあっという間に飲み干して、
車の中の布団にもぐりこみました。


一夜明け、今回の北海道温泉巡りの中でも楽しみにしていた、
水無海浜温泉を目指しました。
名前の通り海辺にある温泉です。
ガイドブックに取り上げられるほど有名な温泉ですが、
石田温泉と同様いくら探しても見つからないのです。

海辺では家族連れが海水浴を楽しんでいるのが見えるくらいで、
目的とする温泉に浸かっているような人達はどこにも見当たりません。

駐車場の看板にはちゃんと水無海浜温泉露天風呂の案内があるのですから、
場所は間違いないはずです。
今度は、近くに温泉の場所を尋ねる人がいました。

 「この辺に共同の露天風呂はありませんか」

その人は、昆布干しで、
猫の手も借りたいほど忙しそうにしているのに、
私ときたら、見るから遊びに来たと分かる空冷短パンルックです。

 「あの子供が泳いでいる辺りだ」

と、つれない返事です。
ああそうですかと、言っては見たものの、
露天風呂なんかどこにもないよなと、合点が行かない顔をしていると、

 「今は潮が満ちているから露天風呂は、
  海に浸かっているかもしれないな」

と、ポツリ一言。
あっ、そうか。
満ち潮で露天風呂が見えなかったのか。

しかし、ここであきらめたのでは、石田温泉のときと同様、
何のために北海道まで来たのか分かりません。

早速、子供達が泳いでいるところに行って見ました。
ここでも石田温泉のように、
有りました!
と言う表現がぴったりの湯舟なのです。

いや湯舟というより波打ち際に無造作に作られた、
四角のコンクリートの囲いが、波間に見え隠れしています。

ガイドブックでは六つの湯舟が載っていたのですが、
満ち潮で、一つのコンクリートの囲いを残して、海の中なのです。
そのため、遠くからでは場所が分からなかったのです。

見え隠れする最後の一つのコンクリートの囲いまでが
海中に沈まないようにと、駆け足で湯舟に行き、
手を入れてみると暖かいちょうどよい湯加減です。
目の前は、海です。
そう太平洋です。
まさに大自然の恵みですね。

こんなところから温泉が沸いているなんて、
温泉ファン冥利につきます。

お父さん達は、私がその大自然の恵みを早く満喫するために、
直ぐ入浴したと思うでしょう。
ところが、それが出来ないのです。
入浴の阻害要因があるのです。

「何が阻害要因だ、脱衣所がないのだろう」

うーん、近いのですが、この場合は少しニュアンスが違います。

近くに子供達が泳いでいることは先程話しましたよね。
普通小さな子供は一人では泳ぎません。
親が事故の無いよう、近くで子供達の泳ぎを見ているものです。

ここでもその常識は変わりません。
その親が、父親なら私が入浴するのにはなんら問題がないのですが、
幸か不幸か母親達がいるわけです。

小さな子供の母親と言えば、まだまだ現役の女性です。
お父さん達、もう分かったでしょう、私が入浴をためらう阻害要因が。

 「その母親達の前で、スッポンポンになれないのか」

ピンポン、当たりです。
脱衣所もない、海辺の大自然そのものの露天風呂。
現役の女性の前で、さすがの私も、
直ぐにはスッポンポンにはなれません。
しかし、私の北海道旅行の目的は、何度も言いますが温泉巡りです。

目の前に、こんな素晴らしい温泉があるというのに、
指をくわえているわけには行きません。
意を決し、おもむろに着ているものを脱ぎだしました。

当然のことながら、現役の女性達は、
私を変態露出狂のようなまなざしで見ています。
そんなに嫌なら、どこかに行ってくれるか、
こちらを向かないで欲しいのに、
なぜか、こちらを見つめたままなのです。


 『ここだけは 水着が欲しい 海辺の湯
                 我一人だけ 手拭い巻いて』


★データ
(走行距離)二百四十六キロ
(入浴温泉)石田温泉・水無海浜温泉・恵山温泉・川汲温泉・
      大船上の湯・鹿部温泉・東大沼温泉・知内温泉・松前温泉





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