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2007.10.23 (Tue)

【私は、つくね】 第十九話 私は、“ヤー”が気になる

第十九話 【私は、“ヤー”が気になる】



朝一番に

私は、雨の日以外は毎朝、
朝起きて一階のリビングに行くなり
外に出して欲しいと、おとんに催促する。
あいつに、朝の挨拶をしたいからだ。





おとんはおかんより必ず早く起きる。

「お前は、いいよな。
結婚以来、目覚まし時計使ったことないものな」

そうらしい、おかんは365日、
おとんに毎朝起こしてもらっている。

おかんは、若い頃から低血圧で、朝が苦手らしい。
そのわりには、夜更かしときている。
結果、朝はなかなか起きられない。

それに引き替え、おとんは目覚し時計無しでも
大体決まった時間に目が覚めるようだ。

最近おかんは、血圧は正常範囲と言っているが、
相変わらず、朝は、おとんに起こしてもらっている。
ということは、低血圧で起きられないと言う言い訳は通じず、
単におかんが怠惰なのか、それとも、おとんのやさしさなのだろうか。

そんな、おかんに似たのか、私も朝に弱い。
いつも、おとんかおかんの布団の中で寝ているが、
おかん同様たいていは、おとんに起こされて目を覚ます。

「つくね、お早よう!」

おとんは、布団の中に潜って寝ている私を見つけ出し
朝のスキンシップを行う。

おとんは、会社に行くために起きなければならないが、
私は無職なので、早く起きる必要はないはずだ。

”もっと寝ていたいのに、何で起こすのよ!”

と、抗議をしたいのだが、何せ大好きなおとんからのスキンシップだ。
渋々頭だけを持ち上げ、したいようにさせている。

おとんが、私へのスキンシップを終え1階に下りていくと、
私は、再び布団の中に潜航だ。
特にこれから先、朝が寒くなってくると、
暖かい布団から抜け出ることは大変なのだ。


「つくねは?」
「まだ寝ているわよ」
「あいつ、本当に人間の子みたいだな」

と、私の噂をしだす頃、
ようやく私は、のそのそと布団の中からはい出してくる。

その頃には、だれも2階にはいないので
恰好は悪いが、下に降ろしてもらうため
私は、しょうがなく例の“鐘”を鳴らす

「わかった、今行くから」

朝の、忙しい時に、例の“鐘”をカランカランと鳴らされる
おとんもおかんもたまったものではない。
朝の用事の手を止めて私を迎えに行かなければならないのだ。

時々、シェービングクリームを顔中につけたまま
おとんが2階に上がってくることがある。

「つくね、早くおいで!」

そう、言われたって、おとんの顔を見て
だれが、素直におとんのところに行けるだろうか。

シェービングクリームを塗りたくった顔は、
洗面所で鬚を剃っている自分を鏡で見る時だけが違和感がないのであり、
それ以外の場所で、他人が見る代物ではないはずだ。

もし朝、おとんがシェービングクリームを顔中につけたままで、
新聞を取りに表に出たとしよう。
その時近所の人が、おとんを見かけてもお早うございますと、
だれが言うだろうか、以降は変人扱いされるのが関の山だ。

そんな、シェービングクリーム塗りたくりのおとんが、

「つくね、早くおいでったら」

と、本当に口から泡を飛ばしながら私に下に降りるぞと催促をする。
私も、寝坊したことへの引け目があるため
変人のおとんに抱かれて下に行くことになる。


朝一番に2

おかんもおとんも、朝のバタバタしている時に
私をかまってくれないのは百も承知している。
そのため、私は朝の日課となった
あいつに挨拶をするため外に出る。





あいつとの出会いは、今年の夏の頃からだ。

ある時、外に出ているとあいつが私の目の前を横切った。
先日のLaLaポートのカメではないがかなりの短足だ。
しかし、カメとは違って動きはかなりすばしっこいし、
何よりも横柄な態度を取らないところが良い。
頭を下げてというか小さな身体を地面にこすり付けるようにして
申し訳なさそうに動いている。
私は、あいつのこの謙虚さが気にいった。

あいつは、散歩の途中に会う他の犬のように、
無神経に私に近づいてくることも無く、
人間の子供のようにワイワイ騒いで私の頭をなぜくり回すこともない。

あいつがじーっとしている所に、私が近づくとヒュヒュッとあわてて逃げだすが、
少し離れたところで立ち止まりまたじっーと動かなくなる。
こういったことを何回か繰り返すと、私もおちょくられた気がして
思わず前足でどつこうとしたが、さすがその時ばかりは、
スルスルーッと逃げていってしまった。

そんな、私の仕打ちにもめげずに、あいつは、時々私の目の前に姿を現す。
私は、あいつが仲間と一緒のところを見たことがない。
あいつも私同様きっと仲間嫌いなので、私に興味を持ったのかもしれない。

以降、私は、あいつを見つけて遊ぶのが楽しみとなった。

あいつと遊ぶ前は、私の遊び相手は、もっぱら家族のものだけだ。
私が犬嫌いなのと、散歩嫌いなのがその原因だ。

おとんやおかんがボールや縫いぐるみで私と遊んでくれることがあるが
ボールや縫いぐるみは動かないので、おとんやおかんが一緒でないと遊びにならない。
また、二人とも気まぐれだから、気が向いたときは遊んでくれるが
忙しいときは、私が遊びたくても遊んでくれない。

その点、チョロチョロ動き回るあいつがいれば、
おとんやおかんがいなくても遊べるし、
私が遊びたいとき、あいつを探しに行けばよいのが、
私があいつとの遊びにはまってしまった理由だ。

ただ、一つ難点がある。
いつもあいつがどこにいるのか分からないことだ。


あいつは2

よくあいつを見かけるのが朝なので
私が一階に下りるとすぐ、
おとんやおかんへの朝の挨拶はそっちのけで
あいつを探すために外に出してもらう。





運よくあいつに出会えれば、朝の挨拶もそこそこにしてあいつとの遊びが始まる。

しかし、あいつも何か用事が有るのか、私があいつに朝の挨拶をしようと
外に出ても姿を見せないことがよくある。

こうなると、私もあいつのことが気になるので、あちこちを探し回ることになる。
これが結構、朝の良い運動になる。
私が、ヘルニアの薬のせいで、太っていた身体がスマートになったのも
ひょっとして、この朝のあいつ探しで動き回るためかもしれない。
何せ、散歩の嫌いな私が、遊びで身体を動かせることは有り難いことだ。


私が余り長い間、外でであいつをを探していると

「つくね、もういいかげんにしなさい」

おかんが、私に注意をする。

いいでしょう、おかんに迷惑かけていないのだから。
おかんの注意を無視して、私はなおもあいつを捜し求める。

「つくね、”ヤー”と遊ぶのはまたにしなさい。風邪を引くよ」

そう、おかんは、私がこれだけ真剣にあいつを探し回るのを見て
あいつに”ヤー”という名前をつけてくれた。


以前、いつものようにあいつ、いや”ヤー”を探しているとき
庭木の枝をゆっくり動き回るものが目に入った。

こいつは、”ヤー”のように小さな身体をしている割には、
あのLaLaポートのカメのように生意気な態度をとる。
いや、カメよりもっとでかい態度かもしれない。
カマキリというらしいが、前足を持ち上げ、なんと私に向かってきたのだ。

私も、”ヤー”のような遊び相手にならないのかなと油断していたのが悪かった。
なんと、あの前足で私の鼻を引っかいたのだ。

イターッ!

時間が経ってから、おかんが私の顔を見て驚いた!

「どうしたの、つくね!口の上が腫れてるじゃないの」

おかんは、私の口が腫れたのは、何か炎症のためと思ったらしい。
ヘルニア騒動で過敏になっているおかんは、直ぐ医者に行こうと言い出す。

「虫に刺されたんだろう、様子を見たら」

と、おとんは今回は落ち着いていた。

一晩経って、腫れは収まったので、
おかんも、虫刺され説に納得したようだ。
私だって、恰好が悪くてカマキリにさされたとは言いにくい。

今度移ってきた家は横浜市の都筑区にあるが、
周囲はたくさんの公園やその公園同士をつなぐ
緑道という自然豊かな散策道があり、
色んな小鳥や虫が一杯生息している。

前に住んでいた家の周りで見かける生き物は、
せいぜいカラスと猫と犬くらいだった。

せみ

それが、この家に来てからは、“ヤー”はいるは
カマキリは来るは、蝉や蝶々はとんでくるし、
鳥だって、しじゅうからやヒヨドリや
その他家族の知らない小鳥も庭にやってくる。




家の近くの公園にはカモが池で遊んでいると思えば
白鷺まで緑道わきに流れているせせらぎに虫を食べにやってくる。
ここが大都会横浜市なのかと思うくらい本当に自然豊かな所だ。

「おい、今日、会社に行く時、緑道を歩いていて鶯の声を聞いたよ。
 ここは横浜だよ。
 首都圏でどれだけのサラリーマンがいるか分からないけど
 朝、会社に出勤するさい、鶯の鳴き声を聞いて出勤する
 サラリーマンは、まあいないだろう」

と、夕食時、おとんは感激しておかんに話をしている。

そんな、自然豊かな環境にあるので、
私が、今まで見たこともなかった、カマキリにちょっかいを出して
口を噛まれたくらいは御愛嬌というものだろう。

それ以来、カマキリに出くわした時には、
今度は油断せずに、私が前足でパンチをお見舞いしている。

“ヤ-”を探して時には“虫に”刺されることもあったが、
“ヤ-”は決して私には向かってくることはない。
そういった意味でも、“ヤー”は私にとっては、
この家に引っ越してきてから出来た心許せる友達だ。

願わくば、私が朝起きて外に出たら直ぐに姿を見せてくれると有難いのに
シャイなのかなかなか出てきてくれない。


おかんが、叫ぶ。

「つくね、いい加減に中に入らないと風邪をひくよ」

“ヤ-”のおかげで、またおかんに叱られた。
でも、私の鼻水を見たらおかんが叱るのもしょうがないか。

おかんが教えてくれた。

「”ヤー”の本当の名前は”家守”と書いて”ヤモリ”と言うのよ。
 害虫を食べて、家の中に悪い虫が入らないように
 家を守ってくれているの」

ふーん、“ヤー”は私の友達だけあって、いいやつなんだ。
私も番犬で家を守っているので、
それで”ヤー”と私は気が合うのかもしれないね。

あいつは3

おーい、”ヤー”、出ておいでよ。

一緒に遊ぼう!

今日もまた、朝の運動が始まる・・・・。





               (”【私は、つくね】目次へ



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