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2007.11.08 (Thu)

【私は、つくね】 私は、おとんの時間差攻撃にあわてふためく

第二十一話 【私は、おとんの時間差攻撃にあわてふためく】



良家のお嬢様風





「いま、駅に着いた」
「はーい」

おとんは会社から帰宅するとき、最寄り駅から必ず電話をする。
それに対して、おかんが、一言短い返事をする。

私にとって、毎日の楽しみは、おとんと一緒に食べる夕食だ。
そのため、夜、おとんが帰ってくることを知らせる
この短い電話が待ち遠しくてたまらない。

「つくねは、どうしてお父さんが帰ってくる電話と分かるのかね」

と、ばっちゃんやおかんが不思議がる。
どうしてなのかな、家族と一緒に過ごしていれば、
皆の行動パターンが読めると何度も言っているのに。

私にとってはこの電話は、楽しみにしている食事が
もうすぐ貰えるという合図になるので本当に有り難い電話だ。

それにしてもおとんは、
毎日律儀に電話をかけるものだと私は感心をしている。

他の家庭のお父さん達も、おとんのように
毎日帰宅を知らせる電話をしているのだろうか。

私が見る限り、おとんはおかんが怖いために電話をしていると思えない。
それどころか、結構おとんは家の中では威張っている。
でも、我が家は”亭主関白”かといえばそうでもないし、
おかんがおとんを尻に敷くといった”かかー天下”でもない。


おとんは、酔うと時々、

 「家庭は男が仕切っていなければならない。
  おれは、男尊女卑主義だ」


と、今や死語になったような古色然とした言葉で熱弁をふるうが、
それはおとんの単なる願望であることは、
家でのおかんの日頃の態度を見れば一目瞭然だ。

おとんが、おかんを言い負かそうとしても、

「何よ、あなたのそのぶさいくな顔、なんとかならないの」

といった調子で、平気でおとんに言い返す。
おかんは、極め付きの負けず嫌いなのだ。
そんなおかんを前にして、男尊女卑を望むおとんもおとんだ。


それでも、おかんは結婚した当初から、
おにいちゃんやちーにいちゃんの前では
絶対におとんの悪口を言わず
おとんを立てる態度で接してきたらしい。

その甲斐あって、今でもおとんは子供達の前では
なんとか父親としての立場を取ることが出来ている。

しかし、二人の思春期や受験時期の一番難しい時期に
おとんは、仕事が忙しいと称して父親としての役割は何ら果たさず、
もっぱらおかんが、父親と母親の二役をこなしたとのことだ。

結果は、今でも、おにいちゃんやちーにいちゃんにとって
大事なことの相談相手はもっぱらおかんだし、
おとんだって、子供達に何かを伝えたいことがあるときは、
おかんを通じてやっているという情けなさだ。


今の社会では死語にも等しい男尊女卑を目指したおとんは、
家族にとっては、まじめな給料運搬人くらいにしか
思われていなのかもしれない。

可哀そうなおとん。

それでも、おとんは、家族にどう思われていようが
結構自分の考えを押し通そうとするし、偉そうにしてしいる。
おかんもそんなおとんに気を使っているから不思議なものだ。


では、何でおとんはこうもまじめに帰宅の電話をするのだろうか?
私が思うに、おとんの優しさなのかもしれない。

おとんは、以前はよく外でお酒を飲んで帰ることが多かった。
お酒を飲む予定が分かっているときは、
事前におかんに今日の夕食はいらないと伝えて会社に行けば良いが
仕事の都合上、急に飲むことになった場合、
おかんが夕食の準備をする前までに夕食がいらないことを伝えていた。

また、家に友達を連れてくるときも同様で、
必ず事前におかんに連絡を入れていた。

これら、事前の連絡は、おかんが怖いというより、
おかんに無駄をさせたり、あわてさせたりしないよう、
おかんへの配慮、言いかえれば、おとんの優しさからくるのだろう。


毎日の最寄り駅からの電話も、
もうすぐ家に帰るので暖かな夕食やお風呂の準備を宜しく、
という意味を言外に込めた連絡なのかもしれない。


こうした、おとんの優しさのおかげで私の最大の楽しみである、
おとんとの夕食時間を知ることが出来るようになった。

「つくねは、お父さんからの電話があっても
直ぐには玄関に迎えに行かないのよ。
 電話があってから少したって玄関に行くの。
 駅から家までの時間が分かるのよ、すごいでしょう」

そうなのです、私は、賢いのです。
だって、電話があっておとんが家に着くまでに、
だいたい15分くらいかかるのだけど、
その関、玄関でずーっと尻尾を振りながら
おとんを待っていたら疲れるし寒いでしょう。

そのため、ばっちゃんやおかんが感心するけど、
私はおとんからの電話が有ると、少し時間をおいて玄関に行く。

そこで良家のお嬢さんのように三つ指ならぬ四つ足をついて
おとんを出迎えることになる。

四足ついてお迎え



おとんの足音が聞こえだすと、私の嬉しさが身体に伝わり
どうしても尻尾が左右に動いてしまう。

おとんが、玄関の鍵をガチャガチャしだすと、
もう私の嬉しさは最高点に達する。

こうなると、良家のお嬢さんぶってはいられない。
四足ついて待っていた私はもう待ち切れず
玄関の土間に駆け下りていく。

「おとん、お帰り!早く入ってよ。疲れたでしょう。ネエー早く!」

もう、尻尾は全回転モードだ。


「つくね、ただいま。
ワンワンじゃないだろう。
 お父さんお帰りだろう。
 7歳にもなっても、まだお帰りと言えないのか」

と、おなじみのセリフを言いながら、私の頭をなぜくり回す。


私は、嬉しくてたまらない。
今度は、ばっちゃんやおかんに、おとんの帰宅を知らせるため
リビングと玄関の間を駆け巡る。

「これつくね、わかったから走るのやめなさい!」

おとんは、ニコニコしながら皆に挨拶をして、
着替えのために2階に上がっていく。

もうすぐだ!
あと少しだ!
私の大好きな時間が来る。
おとん、早く、早く、下りてきて!

こうして、私の最も楽しみなおとんとの夕食のひと時を
今や遅しと待ち続けるのである。


ところが、時々おとんは思いもよらぬ行動をとることがある。
悪気ではないのだが、おとんにこれをやられると
私の日頃のペースが狂ってしまうことがある。

「お父さん、つくねがびっくりして身体をひねったり、
椅子から急に飛び降りたらどうするの」

と、おかんもおとんがこれをやるのを嫌がる。

おかんは、せっかく良くなってきた私のヘルニアが
再発したらどうするのかと心配なのだ。

私もこれをやられると、日頃の良家のお嬢さんを装った
四足ついての気持ちを込めた出迎えが出来なくなり、
うたた寝していたハウスから、
玄関の土間に飛んで行かねばならなくなる。

ハウスで待機




気持のこもった、おとんのお迎えができなくなり、
それがおとんとの夕食に影響が出ないか心配になるのだ。

いつもは、最寄駅から電話するおとんが、

「いま、公園」

と、おかんに伝えることがあるのだ。
最寄り駅に降りて、仕事等他の電話をしていて、
家に電話をするのが遅れるときがあるのだ。
公園は、家から目と鼻の先にある。

「はーい」

おかんは、いつもと同じように短い返事を返す。

日も暮れたこの時間帯で、おかんの短い返事だ。
私は、当然ながら、おとんからのいつもの電話と思う。

もう少ししたら、おとんが帰ってくる。
ハウスの中で、喜びを隠しながら、
まだ少し時間があるなとうつらうつらしていた。


まだ少し時間が



ところがどうだ、玄関のドアの鍵を開ける音がするではないか。

エッー!どうして。
ネー、どうしてなのよ!
電話があってまだ何分もたっていないじゃないの

「つくね、ただいま!」

そんなばかな、どうしてなのよ!

いつもは、おとんが家に着く頃を見計らって、
玄関で四足ついて待っている私なのだが間に合うわけがない。
私は、ハウスの中から飛び起きて玄関にダッシュする。

肩掛け掛けて1





私の背中にハウスの中でかぶっていた肩掛けが乗ったままで、
おとんに頭をなぜてもらうはめになった。

カッコワルー!


肩掛け掛けて2





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テーマ : 犬との生活 ジャンル : ペット

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